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ナイロン100℃「消失」(2015年再演版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日なので、
午前中は石田医師が担当し、
午後は石原が外来を担当します。
午前中には第三回の健康教室を予定しています。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
ナイロン100℃「消失」.jpg
ナイロン100℃が2004年に紀伊国屋ホールで初演した「消失」が、
11年ぶりに全く初演と同じキャストで、
今下北沢の本多劇場で上演されています。

これは初演を観ているのですが、
悪くない作品だとは思ったものの、
あまりに長く淡々としていて、
途中の睡魔を抑えるのがかなり苦痛でした。
SFは好きなのですが、
第2の月とか核戦争後の世界とか、
設定が中途半端な気がするのも、
当時は違和感がありました。

今回の上演は基本的には前回と同じなのですが、
初演よりずっと感銘を受けましたし、
睡魔に襲われることも少なく、
トータルにはかなり楽しめました。

その一番の理由は、
初演にはなかった途中休憩が入ったことで、
それも、なかなか絶妙なタイミングで、
丁度大分ダレてしんどくなって来たところで休憩となり、
後半はいきなり怒涛の展開となって、
クライマックスに突入するので、
前半で少しウトウトしていた人も、
後半で気分を変えて観ることが出来るのです。

ただ、上演時間はそのために3時間を超えました。

15分くらい刈り込んで3時間以内にすれば、
もっと傑作になるのに…
とどうしても考えてしまうのですが、
ケラさんにとってはそれはポリシーに合わないことのようです。

役者さんは全員抜群と言って良く、
皆が年齢を重ねた分、
作品を覆う哀しみはより深化した、
という気がします。

特に三宅弘城さんと犬山犬子さん、みのすけさんという、
ケラさんの最も古い仲間の3人が、
年齢を重ねた哀れな滑稽さを演じて、
実に味があります。
大袈裟に言えば、
チャップリンの「ライムライト」のような哀感があったのです。

最近ケラさんは、
「渡辺えり症候群」のような病気に罹り、
政治的なご発言が多いのですが、
藝術家は良い意味で世間知らずの出鱈目で良いと思っているので、
あまり下々のことに気を紛らわすことなく、
政治的な活動は野田秀樹さんなどに任せて、
極私的な世界を深めて欲しい、
というのが僕の切なる願いです。

今回の舞台は完成度が高く、
キャストの演技も完成の域に達していて、
プロジェクションマッピングを含めて、
演出も完成の域に達しているので、
ケラさんの芝居の1つの頂点として、
推奨出来るものです。

ただ、悠然たる間合いで話の輪郭はもやもやしていて、
3時間を超える長尺なので、
ケラさんの芝居を普段観慣れていない方には、
あまり向いてはいないと思います。
犬山犬子さんの哀しさを観るだけで、
口元がほころんでしまう、
というようなケラさんのファンには、
これはもう絶対のクリスマスプレゼントだと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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