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タクロリムス軟膏(プロトピック)で白斑を治療する [医療のトピック]

こんにちは。

北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は特殊健診や産業医面談がある予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
白斑の治療論文.jpg
2018年のJAMA Dermatology誌に掲載された、
白斑を免疫抑制剤の軟膏で治療した症例を紹介した論文です。

白斑(尋常性白斑)というのは、
皮膚が部分的に白く抜けてしまう状態で、
皮膚の基底層に分布する色素細胞(メラノサイト)が、
何らかの原因で減少消失することにより起こります。

原因は不明ですが、
自己免疫的機序によって、
メラノサイトに対する抗体や、
細胞障害性T細胞がメラノサイトを攻撃する、
という可能性、
またそれ以外の原因による細胞障害などが、
その原因として推測されています。

白斑の治療は、
ステロイドの外用剤と、
紫外線による光線療法の単独もしくは併用が、
主に施行されています。

ただ、光線療法は有効である反面、
再発も稀ではありませんし、
長期の使用においては、
目の周囲では白内障のリスクを高め、
皮膚癌のリスクも高めることが知られています。
ステロイドは小さな病変には一定の有効性がありますが、
長期使用では皮膚を萎縮させます。

タクロリムスは免疫抑制剤の一種で、
その外用剤(商品名プロトピック)は、
アトピー性皮膚炎の治療薬として保険適応されています。

このタクロリムスの細胞障害性T細胞の抑制作用は、
自己免疫疾患の可能性が高い白斑にに対しても、
一定の有効性がある可能性があり、
これまでにも有効性の報告があります。

ただ、その効果は必ずしも確立されたものとは言えません。

今回の症例報告では、
著効と判断された3例を報告しています。
白斑改善の画像.jpg
著効した3例のうちの2例の画像です。
上の2枚は唇の周辺の白斑で、
下の2枚は瞼の部分の白斑です。
治療前後の画像の色調がかなり違うのが難点ですが、
タクロリムス軟膏(0.1%)の4ヶ月間の使用により、
白斑が著明に改善した、と記載されています。

特に瞼の白斑は、
光線療法が白内障のリスクのため施行不可であるので、
より意義のあるものなのです。

タクロリムス自体にも動物実験では発癌性の指摘があり、
現行の他の治療より安全とは言い切れないのですが、
白斑治療の1つの選択肢として、
その有効性や安全性、他の治療との併用の可能性などにつき、
今後も臨床知見の蓄積に期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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