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体重減少の生命予後への効果(2017年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
体重減少の生命予後への効果.jpg
本年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
肥満の人がダイエットすることの健康への効果についての論文です。

肥満が生命予後に悪影響を与え、
心血管疾患やある種の癌、糖尿病などのリスクになることは、
主に疫学データや観察研究としては、
ほぼ実証されている事実です。

この場合の健康に悪影響を与える肥満というのは、
BMIという指標において、
WHOの現行の基準では27.5以上で、
日本やインドの基準では25.0以上、
中国の基準では28.0以上を指しています。

このように基準には幅があるのですが、
それでも肥満の一定のリスクがあることは間違いがありません。

肥満の治療は第一選択としては、
カロリー制限や運動習慣などによる、
体重減少への努力(一般の言葉ではダイエット)ですが、
そうして行った体重減少が、
実際に病気のリスクを減らし、
生命予後に良い影響を与えるかどうかは、
必ずしも実証をされているとは言えません。

2015年のPLOS ONE誌に掲載されたメタ解析の論文によると、
15の介入試験をまとめて解析した結果として、
総死亡のリスクに15%の低下が認められましたが、
ぎりぎり有意差が出るというレベルで、
心血管疾患や癌のリスクについては明確ではありませんでした。

今回の研究ではこれまでのデータより、
54の介入試験のトータル30206名のデータを、
まとめて解析する方法で、
肥満に対する体重減少の健康への影響を検証しています。

その結果、
高いレベルのエビデンスとして、
総死亡のリスクについては、
ダイエットによる18%(95%CI; 0.71 から0.95)
の有意な低下が認められています。
心血管疾患と癌のリスクについては、
ダイエットによる明確なリスクの低下は、
確認されませんでした。

このように、
適正な方法で無理なく行われる体重減少は、
肥満の患者さんの生命予後を改善することは、
ほぼ間違いがありません。
ただ、心血管疾患などの個別のリスクについては、
実際には明確ではないと考えた方が良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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