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非アルコール性脂肪肝炎と尿酸と果糖との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は御前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
フルクトースと尿酸と脂肪性肝疾患.jpg
今年のJournal of Hepatology誌に掲載された、
非アルコール性脂肪肝炎と食事内容との関連についての論文です。

肝機能障害が命に関わるのは、
肝硬変や肝臓癌になった場合で、
その原因としてはB型肝炎やC型肝炎による慢性肝炎や、
アルコール性肝障害が知られています。
ただ、最近それ以外で注目されているのが、
アルコールを飲まないのに脂肪肝や脂肪肝炎を発症し、
中には肝硬変に至り肝臓癌を合併する事例もある、
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)です。

NAFLDのうち、
肝臓の組織に通常の脂肪肝とは別個の所見を持ち、
進行性で肝硬変などのリスクの高い脂肪肝炎の状態を、
特にNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼んでいます。

通常NAFLDは肝細胞への脂肪の沈着で始まり、
長い月日を掛けて、
肝臓の炎症と線維化とが進行して、
その一部がNASHの状態に至ると考えられています。
以前は小児や思春期までのNAFLDは、
身体に無害な疾患と考えれて来ましたが、
最近では若年からNASHの状態に至ることも稀ではない、
というように考えが変わって来ています。

NASHのリスクとして、
成人では肥満な糖尿病などと共に、
血液の尿酸値の上昇と果糖やブドウ糖などの糖質の過剰摂取が、
関連する因子として指摘されています。
ただ、これが小児や思春期という年齢でも同じであるかどうかは、
あまり明確には分かっていません。

そこで今回の研究においては、
思春期までの過体重もしくは肥満で脂肪肝(NAFLD)のある271名を対象として、
全例に肝生検を行なって活動性スコアからNASHの有無を診断しています。
そして、血液の尿酸値と果糖(フルクトース)の摂取量と、
NASHとの関連性を検証しています。
肝生検の結果、全体の37.6%に当たる102名がNASHと診断されました。
肝機能の指標であるALTの数値などと共に、
血液の尿酸濃度と果糖の摂取量は、
独立してNASHのリスクと相関していました。

血液の尿酸値が5.9mg/dL以上の比率は、
NASH以外のNAFLDでは29.7%であったのに対して、
NASHでは47%で有意にNASHで高くなっていました。
果糖の摂取量も、
NASH以外のNAFLDでは1日平均52.6グラムであったのに対して、
NASHでは70.4グラムでこれも有意に高くなっていました。

フルクトースは中性脂肪に変換されて肝細胞に蓄積し、
尿酸は炎症やインスリン抵抗性を惹起して、
肝細胞の炎症や繊維化に繋がると想定すると、
この2つの指標がNASHのリスクになることは、
一応の理屈に適っているようにも思います。

今後尿酸値をコントロールし、
果糖の摂取量を減らすことで、
NASHの進行を抑制することが出来るかどうかが、
今後の研究の方向性の1つとなるのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

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