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辛い物を食べることと健康との関係について(2016年中国のデータ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら、
カプサイシンの健康影響.jpg
2016年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
辛い食事を食べる習慣と、
生命予後を含めた健康への影響についての論文です。

辛い物は健康に良いのでしょうか?

唐辛子などに含まれるカプサイシンという成分は、
代謝を活発にする作用があり、
抗肥満作用や血圧降下作用があるとされています。
また、抗酸化作用や抗炎症作用が見られるという報告もあり、
感染症や生活習慣病の予防に有効な可能性があります。
腸内細菌叢に影響を与えて、
その作用を活発化させるというような研究結果もあります。

ただ、こうした研究は実験レベルのものか、
比較的少人数での疫学データが殆どで、
その根拠はあまりレベルの高いものではありません。

そこで今回の研究では中国において、
1年当たりの人数に換算して350万人以上という、
大規模な成人の疫学データを活用して、
アンケートによる辛い食事(spicy foods)の摂取習慣と、
生命予後を含めた健康への影響を検証しています。

その結果…

辛い食事を週に1回未満しか摂っていない人と比較して、
1から2回摂っている人は、
総死亡のリスクが10%(95%CI:0.84から0.96)、
3から5回摂っている人は14%(95%CI:0.80から0.92)、
6から7回摂っている人は14%(95%Ci:0.82から0.90)、
それぞれ有意に低下していました。

この辛い物を食べることによる死亡リスクの低下は、
アルコールを飲まない人でより高く、
辛いものを週に6から7回摂っている人は、
1回未満しか摂っていない人と比較して、
癌による死亡リスクが8%(95%CI:0.85から0.99)、
虚血性心疾患による死亡リスクが22%(95%CI:0.67から0.89)、
呼吸器疾患による死亡リスクが29%(95%Ci:0.62から0.81)、
それぞれ有意に低下していました。

この結果はやや微妙なもので、
本当にカプサイシンなどの摂取と生命予後に、
関連があるのだとすれば、
摂取量が多いほどリスクが低下しても良さそうですが、
結果は必ずしもそうはなっていません。

ただ、カプサイシンと健康との関連については、
これまでにも多くの研究があり、
今回の非常に大規模な疫学データは、
それを一定レベルサポートするものとは言っても良さそうです。

ほどほどに辛いものを食べる習慣は、
それほど健康上悪いことではなさそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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