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ワーグナー「ラインの黄金」(ザルツブル・クイースター音楽祭 in Japan) [オペラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
ラインの黄金.jpg
サントリーホール30周年の記念として、
ザルツブルク・イースター音楽祭来日公演が企画され、
そのメインの演目として、
ワーグナーの「ラインの黄金」が、
ホール・オペラとして上演されました。

今やドイツを代表するワーグナー指揮者の、
クリスティアン・ティーレマンが指揮をして、
オケはシュターツカペレ・ドレスデン、
ヨーロッパで活躍する一線の歌手を揃えた、
これぞ本場の本物というワーグナーです。

「ラインの黄金」は休憩なし2時間半の1幕なので、
かなり聴く側としてはペース配分がきついのと、
コスチュームプレイ的で、物語るオペラ、という感じなので、
「これぞ力押し」というようなワーグナーの見せ場が乏しく、
正直このオケとメンバーであれば、
「ワルキューレ」辺りが聴きたいな、
とは思うのですが、
ホール・オペラという構成であると、
この選択が仕方のないところなのかも知れません。

ホール・オペラというのは、
サントリーホール独自の特殊な形式で、
普通コンサートホールでのオペラは演奏会形式と言って、
オーケストラの前もしくは後方に、
普通にドレスアップした歌手が並び、
演技はせずに歌のみを「演奏」する、
という方法で行われることが多いのですが、
ホール・オペラは簡単ですが衣装も着け、
演技もしながら歌手が歌うという、
簡略化されたオペラ、
セミ・オペラとでも言うべき性質のものです。

僕はこの中途半端な様式が好きではありません。
演出が変に頑張って、
歌手が中途半端に芝居をしたり、
あちこちで歌うので、
音楽に却って集中の出来ないことが多いからです。

今回の場合は、
オケの後方、通常は背面の客席があるところに、
2階建てのような舞台を組んで、
その上でやや簡素な衣装を着けた歌手が、
演技をしつつ歌うという演出になっていました。

かなり客席から歌手が遠く、
見上げるような感じになりますし、
工事現場の足場のようなところで、
窮屈そうに危なっかしく歌っているのも、
不安定で如何なものかな、
という気がします。

ただ、意外と上の後方で歌手が歌い、
前方にオケがあるというバランスは音的には悪くなく、
後方の上からの声と、
正面からのオケの音が、
いい具合に分離されて聞こえるので、
両方がクリアで綺麗に交錯するのは新鮮に感じました。

ただ、オケが前に出る部分はそれで良いのですが、
どうしても歌手の声の迫力はなくなるので、
歌手が主体の場面は今一つの感じになっていました。
小さな舞台で窮屈に演じるので、
歌手陣は思ったほど自由に歌えていなかったと思います。

どうもホール・オペラは苦手です。

ただ、演奏は矢張り抜群に素晴らしくて、
この迫力はさすがに本場のワーグナーの底力を感じました。
ダイナミックレンジが非常に広く、
繊細な場面は歌手に静かに寄り添いながら、
押すところは豪快な力押しで、
壮麗な音の城郭を築き上げます。
ライトモチーフの1つ1つが、
極めて雄弁かつ個性的で、
音色がそれぞれ異なっているという点にも感銘を受けました。

願わくばワーグナーの他のオペラも是非、
と思いますが、
なかなか実現は難しいのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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コメント 2

michelangelo

石原様

オペラ歌手の皆様にとって、谷底から歌うような経験は余りない経験かもしれず(高所恐怖症など)心配しましたが、本拠地ザクセン州立歌劇場にて鑑賞したワルキューレと変わらぬ歌唱(声量)に圧倒されました。席に関しましては、やはり高低と言うより距離もあるのではないかと私自身は考えます。

それにしましても、ワーグナー作品をコンサート・ホールSuntoryHallにて実現させたティーレマン氏の自信と腕前に感服しました。オペラ・ハウスと、余りに音響が異なるからです。本来バイロイト音楽祭でのワーグナーが最高峰なのかもしれませんが、ドイツ各地のオーケストラ演奏者が集い演奏されるバイロイト聖地より、シュターツカペレ・ドレスデンとマエストロのマリアージュを堪能できたことは、貴重な経験かもしれません。

日本では、秋冬にオペラ引越し公演や外来オーケストラが重なり合ってしまうのが残念ですが、主催者を含め御来日して下さる様々な音楽家に感謝しています。
by michelangelo (2016-11-27 01:27) 

fujiki

michelangeloさんへ
コメントありがとうございます。
非常に素晴らしい上演で評価も高かったのですが、
私の聴いた1日目は客席は大分寂しい感じでした。
これを一杯に出来ないのではなあ、と思うと、
暗澹たる気分にもなったのですが、
ご指摘のようにスケジュールの問題も大きいのかも知れません。
いずれにしても今年はワーグナーの上演に関しては、
本当に充実していたと思います。
by fujiki (2016-11-27 09:54) 

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