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モイツァ・エルトマン(2016年王子ホールのリサイタル) [コロラトゥーラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日はクリニックは連休のため休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
モイツァ・エルトマン.jpg
ドイツの美貌のソプラノ歌手、
モイツァ・エルトマンが銀座の王子ホールで、
歌曲のリサイタルを開きました。

彼女は一時期ジャパンアーツが、
日本でアイドル的なプロモーションを行ない、
ハンサムなハープ奏者とのデュオリサイタルが企画されたりもして、
ビジュアル優先のように誤解される面があったのですが、
リートや古楽を繊細かつ知的に歌う確かな技術を持っていて、
クリスティーネ・シェーファー辺りに、
近い藝質を持っていると思います。

シェーファーの当たり役のルルでも成功していますし、
20から21世紀に作曲された前衛的なリートも歌っています。

ジャパンアーツが企画したリサイタルは、
繊細な歌曲の途中で、
無神経な拍手が矢鱈と沸くような、
美意識の欠片もない酷いものでしたが、
その後NHK交響楽団などのゲストとして来日した際には、
持ち前の歌い回しで繊細な歌を聴かせてくれました。

今回の来日はリートのみのリサイタルでしたが、
前半はシュトラウス、モーツァルト、シューベルトと花の歌を重ね、
そこに生の息吹を象徴させると、
ラファエル前派のミレイの「オフィーリア」の連想から、
オフィーリアの歌をシュトラウスとリームという、
新旧2人の歌で締め括ります。
後半は一転して死の匂いが濃厚に漂い、
死と再生のイメージを、
これも新旧の歌曲の連鎖で綴ります。

以前のリサイタルより、
明らかに余裕と膨らみを増した歌は、
非常に心地良く、時々にその表情を微妙に変化させて、
観客を魅了します。
美しさは相変わらずなのですが、
写真で想像されるより、
冷たさはなく小動物のような愛嬌があります。

アンコールの2曲まで、
合わせ鏡のようなシンメトリーをなしていて、
考え抜かれた構成は、
まさに絶妙でした。

観客も1、2回フライングの拍手はありましたが、
基本的には演者がふっと息を抜いて拍手を誘うまでは、
こちらも息と詰めて聴き入るという姿勢で、
不用意な拍手などのない、
まずは静謐な歌の楽園が、
成立していたのは至福でした。

ドイツリートはまだその入口を、
少し覗き見た程度なのですが、
深淵でスケールの大きな世界で、
これからも長く足を運び続けようと思います。

最高でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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