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血糖測定に対するアセトアミノフェンの影響について [医療のトピック]

こんにちは。
石原藤樹です。

朝からまたバタバタと色々な段取りがあって、
今一息吐いて北品川でPCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
アセトアミノフェンの血糖測定への影響.jpg
先月のDiabetes Care誌に掲載された、
良く使われる消炎鎮痛剤が、
血糖の簡易測定に与える影響についてのレターです。

簡易の血糖測定器は、
その場で極少量の血液から、
血糖を測定することが可能のため、
医師が患者さんの血糖値をリアルタイムで測定する以外にも、
患者さんが自分で測定したり、
コメディカルが測定したりと、
様々な用途に広く用いられています。

最近では同じ原理で血糖を24時間持続的に測定する、
皮下留置型持続血糖モニタリングシステム(CGM)
と呼ばれる機器が、
専門医療機関を中心に、
これも急速に普及しています。

このような簡易的な血糖測定は、
糖尿病の患者さんの血糖値の1日の変動を明らかにすることで、
多くの意義があります。

ただし、敢くまで簡易検査なので、
その数値が色々な条件により、
変動する、という点には注意は必要です。

つまり、簡易測定の数値は、
常に正確ではありません。

簡易血糖測定にも色々な方法がありますが、
ブドウ糖を酸化する酵素を使って、
その酸化反応を計測する方法が一般的です。

この方法は結果として、
ある物質がどれだけ還元されたかを計測するので、
別個に血液中に還元性物質が多く存在すると、
その影響を受けて、
実際より血糖値が高く測定されてしまう、
という欠点があります。

そうした測定の妨害物質として
ビタミンCや尿酸と共に知られているのが、
痛み止めや解熱剤として、
広く使用されているアセトアミノフェンです。

それでは、
アセトアミノフェンを飲んだ後で血糖を測定すると、
どれほどの違いが生じる可能性があるのでしょうか?

現行販売されている簡易血糖測定器に関しては、
妨害物質の影響を受け難いように、
測定法の改良が進められていて、
それほどの差異は生じない、
と考えられています。

ただ、盲点であったのがCGMで、
アメリカのFDAの認可を受けている機器においても、
アセトアミノフェンの使用後に測定すると、
結構な血糖値の誤差が生じている、
というのが上記レターの内容です。

こちらをご覧下さい。
血糖測定へのアセトアミノフェンの影響の図.jpg
40名の糖尿病の患者さんにCGMを装着し、
1000ミリグラムのアセトアミノフェンを飲んでもらいます。
それで、経時的にCGMの血糖測定値と、
簡易血糖測定器(バイエルのCONTOUR NEXTを使用)
の測定値とを比較すると、
このように大きな差が認められています。

内服後200分までは影響が及び、
最大で60mg/dLくらい、
CGMの測定値は通常の簡易測定より高く測定されているのです。

今後勿論こうした違いは修正され補正されると思いますが、
測定法によりこれだけの差が、
血糖の簡易測定には生じる可能性がある、
という点は患者さんも医療者も、
知っておく必要があると思いますし、
おかしな数値については、
再測定や別個の測定法による再検をした上で、
血糖値の変化は論じる必要があると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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