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月刊「根本宗子」第10号『もっと超越したところへ』 [演劇]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

自宅のインターネットが明日まで不通なので、
サイトの更新などが出来ない状態となっています。
ご了承下さい。

本日の診療はいつも通りです。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
もっと超越したところへ.jpg
小劇場の人気者根本宗子さんが、
名前をそのまま使った劇団の、
新作本公演が今下北沢のスズナリで上演中です。

これは4組の男女の生態を、
4つの部屋を上下左右に配したセットで、
同時進行するという趣向の作品で、
それだけだと、
何だ、ポツドールの「恋の渦」じゃないか、
と思うのですが、
ところがどっこい、
三浦大輔顔負けの緻密さで、
人間関係をシャッフルし、
時間軸を駆け巡りながらドラマが展開。
ラストには二重三重の予期せぬお楽しみが待っています。

ちょっと宮本亜門色があるのですが、
純然たる女性目線が心地良く、
全ての女性キャストが輝いて終わるラストには、
掛け値なしの爽快感があります。

文句なしの充実した90分で、
今の世相ならではの、
ほぼ完璧な小劇場芝居に仕上がっています。

観逃すと絶対に後悔するレベルの快作で、
絶対のお薦めです。

以下ネタバレを含む感想です。

物語は2015年と2013年を行き来しながら、
4組の男女の生態を、
舞台を上下左右4つの分けた舞台で描きます。

基本的にポツドールと同じスタイルなのですが、
皆声は張っていて、
より「演劇的」なスタイルで展開されます。

4種類の男女関係が、
一旦進展したりこじれたりしたところで、
暗転が入ると舞台は2年前に戻り、
そこでは男女の組み合わせが全てシャッフルされていて、
その4組の別れが今度は描かれます。

その修羅場から、
次は再び2年後に進みます。

最初の場面で個々の登場人物の、
理解不明の拘りがあり、
それが過去のしがらみに繋がっていたことが、
そこで分かるという仕掛けです。

皆過去の別れの痛手に苦しみながら、
新しい恋を成就させようと悪戦苦闘するのですが、
過去の拘りが尾を引いて、
結局は同じタイプの破局が、
4組のカップルに訪れ、
男が部屋を去って、
それらしく「Let it be」が流れて、
「完」のクレジットが出るのですが、
そこでキャストの1人が「こんなんでは終われない」
というようなことを言うと、
4つの部屋にいた4人の女性が、
別々の部屋という設定を離れて、
お互いに議論をし合い、
ちょっとの我慢をすることで、
破局を食い止めようという合意に達すると、
そこで力技で時間を少し巻き戻し(!)、
男は時空を超えて戻って来て、
互いに抱き合い、
それからSMAPの「Dear Woman」が流れると、
女性4人は真っ赤は衣装にチェンジして現れ、
髪をなびかせてポーズを決めて終わります。

最後の展開は個別に言えば、
昔から良くある手口ではあるのですが、
ラストを舞台上で書き換える、
アヌイの「ひばり」の趣向から、
シベリア少女鉄道的な演劇的約束事の解除と、
時空の巻き戻しをネタ的に絡め、
ラストは得意の歌ネタで、
女性賛歌として締め括る辺りの畳み込みが見事で、
観客は僕を含めて圧倒されたと思います。

90分という尺の短さが心地良く、
基本的には女性賛歌のフェミニズム演劇なのですが、
永井愛さんの作品のように、
男を完全に愚劣で低俗な生き物として描くような、
極端なところはなく、
駄目な男しか登場はしないのですが、
その底に男への愛も感じられるので、
男の観客も身につまされこそすれ、
永井作品のような嫌な気分にはなりません。

キャストもそれぞれに個性を活かした元気な芝居で心地良く、
これも特異なアーティストを起用した舞台装飾もお洒落で、
根本さんの心意気が、
隅々まで行き届いた快作だったと思います。

公演は明日までなので是非。
多分これだけの舞台なので、
再演もされるのではないかと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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