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お猿のシャーロット [身辺雑記]

思い付きでもう1つ雑談を記事にします。

何処かの国で女の子が生まれたという、
格段ニュースにもならなさそうな話題が、
大騒ぎで報道され、
その女の子の名前の一部がシャーロットである、
ということがまた、
驚天動地の如くに報じられると、
たまたまその時に、
日本の南の方の町で、
動物園の猿の赤ちゃんの名前が公募されていて、
騒がれれば、
そりゃ、シャーロットという名前が多く書かれるのは、
理の当然でしょ。

それで多数決により、
お猿の赤ちゃんの名前がシャーロットになると、
それがまた面白ニュースとして報道されます。

すると、
今度は「猿に外国の王女の名前を付けるとは失礼だ」
という抗議の声が動物園に殺到し、
それがまた扇情的に報道されます。

この段階では、
お猿にシャーロットという名前を付けるという行為は、
「悪」として排斥される流れになりました。

しかし…

これですまないのが、
今の世の中の恐ろしさです。

ネットで幅を利かせているようなご意見番的な人物の多くは、
「お猿のシャーロット」の是非について、
様子見をしてあまり積極的な発言をすぐにしませんでした。

まずは、
「本当にかの国がお猿の名前を気にするのかな?」というような、
観測気球的な発言がチラチラと飛ばされます。

それから、
動物園を管轄する地方都市が、
王女様のお国にお伺いを立てる、
という報道があり、
これに対しては、
「こんなことで外国様に迷惑を掛けるのは恥ずかしい」
という揶揄するようなコメントを出し、
またも様子見の姿勢を取ります。

最終的には「我関せず」という、
大使館からの返事とも言えないようなコメントを持って、
行政はシャーロットという名前を変えない、
という決定をし、
「当然だ。お猿の名前など外国様が気にするものか」
という主張が今度は大勢を占め、
「お猿のシャーロット」を批判して、
炎上を画策したり、その尻馬の乗った人の方が、
「悪」や「愚劣」のレッテルを貼られる事態になりました。

もう一度この流れが反転することが、
絶対ないとは言えませんが、
おそらく「外国のお墨付き」という錦の旗を手に入れた以上、
これを覆すことは困難なように、
現状は思われます。

これが理に適った結論なのでしょうか?

僕は疑問に思います。

この問題に正解はないように思うからです。

お猿にシャーロットという名前を、
このタイミングで付けることは、
やや軽率な行ないであったように、
個人的には思います。

動物園が名前を公募する、ということの意味は、
こうしたことではない、と思うからです。
その時代を象徴するような名前を選んだり、
一番愛されているキャラクターの名前を選んだりして、
これからも末永く、
そのお猿さんの成長に、
地域の人に興味を持ってもらおう、
というくらいの意味ではないでしょうか。

そこに、一番ニュースになっている、
海外の王女様の名前を付けることは、
別に分不相応というような意味ではなく、
単純にちょっと場違いな感じがします。

ニュースはただのニュースであって、
本当に一時的な人気であり、
それほどの興味を多くの人が、
長く持ち続けるとは想定出来ないからです。

公募に対して、
「シャーロット」という名前を書いた方も、
多分殆どの方は、
その時のニュースダネで条件反射的に書いたのであって、
これが数日でも時間がずれれば、
結果は全く変わっていたのではないかと思います。

もう1つの微妙な点は、
「猿」に人間が勝手に命名する、
という行為についてのものです。

SNSやネットで権力を持っている方の少なからぬ方は、
猫などの動物の愛好家です。

たとえばこの話が、
特別な血統の猫に、
シャーロットという名前を付ける、
という話でしたら、
多分こうした問題にはならなかったと思います。
微笑ましいニュースとして、
終わったのではないでしょうか?

それでは何故今回は問題が発生したのかと言えば、
端的に言って「猿」という動物が持つイメージが、
影響をしていることは間違いがありません。

今回「お猿のシャーロット」を、
不謹慎なものとして攻撃し炎上を図った人達も、
これが猫の名前なら躊躇した筈です。

猫の背後には「猫好き」がいて、
巨大な権力と勢力とを持っていて、
その「猫好き」がどのような反応をするのかが、
俄かには判断出来ないからです。

彼らに一斉に牙を剥かれれば分が悪いのは明らかです。

しかし、それが猿なので攻撃は行なわれました。

それは、猿という動物自体の問題ではなく、
「猿」という言葉に付いたこれまでのイメージが、
「不謹慎」という事実を補強するもののように、
攻撃する側には感じられたからではないかと思います。

これは勿論一種の差別です。

悪いイメージを持つ猿とシャーロット様を同一視するのはけしからん、
という攻撃の趣旨は、
「断りもなくそうしたことをする礼儀知らずめ」
というニュアンスと共に、
猿は愚かしいものや愚劣なものというイメージがあり、
そうしたものとシャーロット様を同一視するのはけしからん、
という意味であるからです。

「猫好き」もちょっと迷ったと思うのです。

猫と猿を同一視することに、
おそらくは少し抵抗があるからです。

それが、今回様子見のような現象が生じた、
主な要因と思われます。

猿と猫と人間とを、
全く同じものとして並列に扱うのか、
それともどれか1つを特別なものとして扱うのか、
この問題が闘いに発展したような場合、
その根本にある心理が、
炙り出される可能性があるからです。

「好き」というのは、
つまりは相手を特別視する心理なので、
それは差別感情と極めて良く似ているのです。

今の世界においては、
「差別」というものが絶対悪です。

それも特に人種などの血統に属する差別、
男女や出自、職業など、
人間の属性に関する差別は、
そうしたレッテルを一旦貼られることにより、
地位や名誉や肩書の、
全てを失いかねないような重みを持ちます。

実際に些細なことでつるし上げを受け、
一生挽回不可能なようなダメージを受けた事例は、
最近では枚挙に暇がありません。

しかし、その一方で人間というのは、
いやより広く生物というのは、
基本的に差別をする性質があり、
差別は人間を含む生物の本性のようなものです。

全ての行為は差別的で、
全ての言葉は差別意識を内包しています。

それが生物というものであり、
だからこそ競争が生まれ、
進歩が生まれ、愛が生まれるのです。

要するに差別感情というのは、
他の動物を押しのけて、
人間がエラそうな顔をしていられる源泉のようなもので、
ある種の必要悪なのですが、
生物の中でそうした良い思いをしていることへの、
一種の疾しさのようなものが人間にはあるので、
「人種差別は良くない」
というような綺麗事を言い、
そのために争いまで起こすことによって、
その疾しさを相殺しようとしているのです。

ですから、
一番問題があるのは、
シャーロットという名前を付けたことではなく、
動物に相手の意思を確認することなく、
勝手に名前を付けてラべリングする、
という行為そのものの差別性にこそある訳です。

しかし、それを言いだせば、
全ての命名行為とはそうしたものなので、
全ての人間がそうしたことをしているのが実際で、
偽善で生きて威張っているような人も
火の粉を被りかねないので、
今回はそうした皆さんにも躊躇があり、
結局は「外国の大使館のご意見」という、
錦の御旗が出るまで、
表立った発言がなかったのではないかと思います。

最後に僕の考えるシンプルな正解は、
動物園が以下のような発表をする、
というものです。

担当者が猿山の猿の皆さんによくよく相談をしたところ、
「まあ、お前ら人間が勝手に俺達に名前を付けるのは、
気に入らねえけど、
今に始まったことじゃないし、
好きにすればいいさ。
でも、シャーロットってのは何か馴染めない名前だから、
変えてくれよ」
という回答を得たので、
「○○」という名前に変えることにしました、

要するに相談するのはかのお国の大使館ではなく、
お猿の皆さんであるのが筋ではないか、
ということです。

皆さんはどうお考えになりますか?
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コメント 6

Silvermac

ご意見に納得です。どうも犬好きより猫好きが多いようですね。
by Silvermac (2015-05-09 09:44) 

長谷川

テレビを見ないので、一連の出来事を初めて知りました。

もし、仰るような動物園の頓知の効いたというか遊び心のあるような落語的な発表があったなら、
なんだか微笑ましく終わる気がします。

最近どうも物事を考えるときに生真面目すぎることが多い気がしますので、
そういう解決策を提出をできる人間になりたいです。

by 長谷川 (2015-05-09 17:52) 

目指せ腹七分目

おそらく人間だけが持っていると思われる差別化思想は、罪なものだと思います。私も以前は当然のようにプリンセスや王室に憧れ尊敬していました。でも今は違います。出自や職業に関係なくそれぞれ個性があり、与えられた役割を全うして、お互いに支え合って社会が成り立っていると思います。尊敬する人はいても、身分に高低は無いと思います。
動物や植物や人間はそれぞれ波動を持ちコミュニケートして地球が生きているんじゃないかと思います。
今回はとんだお騒がせなニュースになり、がっかりでしたね。お猿さん達も不本意ですよね。
by 目指せ腹七分目 (2015-05-09 20:27) 

fujiki

Silvermacさんへ
コメントありがとうございます。
動物の話題は色々な意味でリスクが高いですね。
by fujiki (2015-05-11 08:16) 

fujiki

長谷川さんへ
コメントありがとうございます。
実際には、そうした小細工をしたらしたで、
また炎上騒ぎになるような気もします。
by fujiki (2015-05-11 08:17) 

fujiki

目指せ腹七分目さんへ
コメントありがとうございます。
まあ、人間が一番面倒臭い動物であることは、
間違いがありませんね。
by fujiki (2015-05-11 08:18) 

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