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ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル [コロラトゥーラ]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日なので診療所は休診です。

朝からいつものように、
駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
ナタリーデセイ.jpg
デセイ様が2年ぶりに来日し、
今回はピアニストのカサールさんと、
歌曲中心のリサイタルを行ないました。

サントリーホールと東京芸術劇場で1回ずつで、
勿論両方とも足を運びました。

デセイ様はフランスのコロラトゥーラソプラノで、
1990年代の前半に、
超高音で速射砲のような高密度の装飾歌唱を武器に、
たちまちのうちに世界の歌劇場を席巻しました。

しかし、あまり喉をいたわらない感じの歌唱で、
何度も喉を痛めて手術を繰り返し、
引退を危ぶまれたことも数知れずでしたが、
その度に奇跡的な復活を果たしました。
ただ、さすがにこの数年は、
声にも衰えが目立ち、
昨年の秋以降は、
オペラの舞台からは引退した状態が続いています。

好不調の波が大きく、
これまで日本にはリサイタルで今回を含めて3回、
オペラで1回、演奏会形式のオペラに1回の、
都合5回来日していますが、
2回目のリサイタルでの来日時は、
切なくなるくらい不調でした。

今回のリサイタルは、
これまでで最も調子が悪く、
特にサントリーホールでの公演は、
音の高低がなめらかに移行せずにつっかかってしまい、
声のエンスト状態になって、
何度もローギアで急発進するような状態が続き、
聴いていても辛くて困りました。

高音も蚊の鳴くような感じでしか出ないのですが、
それでも無理して振り絞ろうとするので、
聴いている方がハラハラしてしまいます。

高音が前に飛ばないのは、
風邪も引いていたようで、
その影響が大きいのかな、と思いましたが、
声がエンストするのは、
それだけではなく、
何度も手術を繰り返した喉の、
微妙なコントロールの問題のようにも思いました。

2回目のリサイタルの時も、
こうした状態はあったのですが、
今回のように完全に歌えなくなるような感じではなく、
より深刻な状態になっているように感じました。

1日おいた東京芸術劇場の公演では、
少し調子は戻っていて、
高音は回復の兆しが見られました。
ただ、声のエンストはあまり変わりはありませんでした。

プログラムはかなり意欲的なもので、
通常の歌曲のリサイタルとはかなり肌合いが異なります。

サントリーホールの公演の場合、
前半はドイツ歌曲(リート)で、
後半はフランス歌曲という構成で、
東京芸術劇場の公演では、
前半はほぼ同じリートの構成ですが、
後半にはラフマニノフの「ヴォーカリーズ」と、
「ラクメ」のラストの小アリアが加わります。

譜面台は一切使用しないで、
全身を使った感情表現を含めて、
オペラアリアのように歌曲を歌います。

作品もその構成に合ったものが選択されていて、
ラストは技巧的なドビュッシーで、
クライマックスに至るように巧みに配列されています。

ただ、勿論それはデセイ様の歌が、
一定のレベルに達していた場合の話で、
今回に関しては、
デセイ様の歌はエンスト続きの中古車の風情であったので、
ドビュッシーも頭を抱えるような感じになってしまいました。

せめてもう少し高音が伸びて、
なめらかに転調が出来るくらいの状態だったらなあ、
と思うのですが、
今後調子が戻るのかどうかは、
何とも言えません。

「ラクメ」の小アリアは、
2004年の最初の来日の時に、
2回目の公演のアンコールでのみ歌ったのですが、
それ以来10年ぶりの日本での披露になりました。

この「ラクメ」と「ヴォーカリーズ」は、
デセイ様の昔からのレパートリーということもあり、
他の歌とは音色が違っていて、
今回最も感銘を受けました。
「ヴォーカリーズ」は彼女を代表するリサイタルピースの1つですが、
日本では初披露になり、
キーは下げていたと思いますが、
若干のエンストを除いては、
歌い回しも冴えていたと思います。

歌曲はシュトラウスなども、
ドイツのシェーファーなどの歌唱とは、
また別個の肌触りがあって、
非常に面白く感じましたが、
いかんせん調子が悪過ぎて、
歌としては破綻していました。

今回は非常に残念でしたし、
またの来日があるかどうかも分かりませんが、
僕にとっては絶対の女神なので、
その藝術家としての生涯には、
ファンの1人として寄り添っては行きたいと思います。

非常に面白いリサイタルなので、
これで調子が良ければ感動は間違いがありません。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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