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インフルエンザ(H7N9)の臨床的特徴と予後に与える因子について [インフルエンザ(H7N9)]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に廻る予定です。

明日27日は石原が整形外科受診のため、
午後の外来は3時半で終了とさせて頂きます。
受診予定の方はご注意下さい。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
新型インフルエンザH7N9の臨床ランセット.jpg
今月のLancet誌に掲載された、
中国でその流行が問題となっている、
新型鳥由来インフルエンザ(H7N9)の、
臨床的な性質についての論文です。

今年の3月の終わりに初めてその存在が確認され、
終息傾向にはあるものの、
未だ患者さんの治療は継続されていて、
終息宣言は出されてはいません。

この新型インフルエンザについては、
その発生以来、
主に中国から山のような論文が発表されていて、
その多くが一流の医学誌の紙面を飾っています。

そのどれもが、
それほど違った内容のものではないので、
やや水増しの気味が最近は感じられます。

特に今回のLancetの論文は、
5月28日までの時点で確認された、
131名の患者さんのうち、
病院で治療を受けた123名の患者さんが解析されていますが、
先日ご紹介したthe New England Journal of Medicine誌の論文では、
5月10日までに確認された131名の患者さんのうち、
111名を解析した内容になっています。

New England...の論文は5月10の時点までの解析で、
5月20日にオンラインで発表されていて、
今回のLancetは5月28日時点までの解析で、
6月24日に発表されています。

これで本当に別個の論文として良いのでしょうか?

どうも疑問ですが、
まあ出した者勝ちということなのでしょう。

簡単に内容をご紹介します。

解析されている病院で治療を受けた123名の患者さんのうち、
5月28日の時点で、
30%に当たる37名が死亡され、
56%に当たる69名が回復し、
残りの17名はまだ治療中となっています。
症状があって病院を受診された患者さんの死亡リスクは、
これより概ね36%と計算されています。

病院を受診された患者さんのうち、
結果として83%の方は、
死亡を含む重症の経過を取っていますから、
重症化に結び付き易い、
ということが分かります。

ただ、
H5N1タイプの鳥インフルエンザでは、
この死亡リスクは概ね60~65%で、
2009年のH1N1タイプの新型インフルエンザの死亡リスクは、
世界全体の統計でも25%未満ですから、
今回の新型インフルエンザ(H7N9)の重症化率は、
概ね季節性インフルエンザや、
2009年の新型インフルエンザよりは高いけれど、
H5N1タイプの鳥インフルエンザよりは低い、
という言い方が可能です。

死亡リスクは矢張り年齢と共に高くなっていて、
60歳以上の年齢層の死亡リスクは、
49%と計算されています。

この患者さんの数というのは、
あくまで症状があって病院を受診した患者さんの数ですから、
実際にはより軽症であったり、
殆ど症状のない感染者も、
より多く存在はしている筈です。

今回周辺のサーベイランスの結果等から、
実際に症状のある患者さん全体の死亡リスクを推測すると、
それは10万人当たり、
160人~2800人の死亡に相当する、
と計算されました。

この程度の内容でLancetの紙面を飾り、
殆ど同じ内容の論文を、
その半月くらい前にはNew England...に掲載しているのですから、
論文というのも一体どういうものなのか、
少し疑問に思うところがありますが、
社会問題となっている事例の、
知見を共有するという意味合いもあるのでしょうから、
通常の科学的な新知見とは、
別個に考えるべきかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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