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映画のこと、その他のこと [身辺雑記]

こんにちは。

六号通り診療所の石原です。

今日は祝日で診療所は休診です。

今日も何もなければ、
のんびり過ごすつもりです。

今日は雑談です。

先日久しぶりに映画館に行きましたが、
本編前の宣伝で、
京都の南座で寅さんの上映会があり、
それが最後の35ミリフィルムによる上映だ、
というナレーションがあって、
ショックを受けました。

多くの方にとっては当然のことかも知れませんが、
もうフィルムの時代は完全に終わるのですね。

今の映画のデジタル上映というのは、
要するにBlu-rayの画質と基本的には同質のもので、
それをプロジェクターで投影しているだけに過ぎないので、
いよいよ自宅のホームシアターと、
映画館との違いは、
小さなものになったように思います。

可燃性のあるフィルムというものの性質から言って、
それが消滅に向かうのは止むを得ないような気もしますし、
医療におけるレントゲンフィルムも、
診療所では昔ながらの方式でまだ撮ってはいますが、
いずれはレントゲンフィルムも消滅に向かうことは、
ほぼ間違いがなさそうです。

ただ、レコードがCDになった時もそうでしたが、
それが1つの文化の終焉であり、
レコードの音質とCDの音質とが、
基本的に別物であることは事実で、
それと同じように、
フィルム文化というものも終焉し、
それと共に映画というものの本来の姿も、
消滅し、
二度と甦ることはないような気がします。

大林宣彦監督はその独特の言い回しで、
映画館で観る映画には、
そのコマとコマとの間に、
それより多くの「闇」があり、
観客は映画館の闇の中で、
実は映像を観るより多くの時間、
闇を見ているのだ、
と語りました。

映画の映像というのは、
基本的にはパラパラ漫画と同じ、
静止画の連続として動きを表現するもので、
その間には常に空白があり、
闇が存在しています。

しかし、それがデジタル化された時点で、
闇は消失し、
連続した光だけが残ります。

この2つが同一だと言うのは、
何処をどう考えても誤りのように、
僕は思います。

フィルムと同様に、
フィルムは使用しなくても、
フィルム通りのコマを再現し、
その間に闇を挟んだ映像が、
何らかの形で残らないかな、
と思いますし、
フィルムによる上映も、
何らかの形で継続されれば良いな、
と思います。

僕が子供の頃には、
映画は映画館だけのもので、
他で観ることは殆ど叶わなかったので、
本当に食い入るように画面を観ていましたし、
淀川長冶さんのように、
およそ日本で公開された映画を全て観ていて、
その内容を生き字引のごとく語る、
ということが、
一種の技芸として成立していたのですが、
時代は変わり、
ビデオが出来て普及し、
DVDになり、
Blu-rayになって、
ほぼ納得のゆく画質で、
映画を自宅で観ることが出来るようになりました。

僕は個人的にはそうした時代が来ないかなあと、
子供心に思っていたので、
こうした時代が来たことは、
本当にうれしいのですが、
その一方で、
実はそうなることで、
これまでの何かが失われ、
かつてのような映画を観るという体験が、
永遠に失われることになるとは、
当時は予想することすら出来ませんでした。

もう1つ思うことは、
かつてフィルムで撮影された多くのテレビドラマなどが、
デジタル化されることによって、
非常に劣化した状態で、
細々と流されている惨状で、
これはその気になれば、
幾らでも修正してより良い画質にすることは可能なのですから、
とても残念に思います。
なるほど日本のテレビの皆さんは、
色々な文化をないがしろにするのと同様、
自分達の先輩が苦労して作った作品に対しても、
愛着はあまり持ってはいないように思います。

本と映画は僕にとっては執着のあるものですが、
本も電子書籍が主体となればその様相は変わり、
紙の本はおそらく滅んでゆくでしょうし、
それに伴ってかつての読書という習慣も、
存在はしなくなるのではないかと思います。

人間の歴史はこうしたものかと思うと、
何か切ない気分になりますが、
元気な間は紙の本を読み、
フィルムの時代に思いを馳せるようにしたいと思います。

それでは今日はこれだけです。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 4

さくら

石原先生、こんにちは。

そうなんですよね…、便利になって色々良い半面、人工的になればなるほどおいて行かれる部分が出来てしまうように思います。それは「気持ち」的なモノなのかなと思っております。

レコードの音が温かいとして今も愛好者が残っているように、カセットテープの録音を愛するご年配の方々がおられるように。
そして本は 紙に文字が‘のって‘いる方が行間の、書いてない部分に思いを読み取れる気がするし、本を開いたままぼぉっと考え事も出来るので心持ちゆとりがあるように思います。
電子BOOKだと切りのいいところまで読んで終わらなきゃな、とか思ってしまうんです。(このコはサクサク予定をこなす時に向いてるンだなと実感します) 
余暇を楽しむ時は出来るだけ「紙の本で読書」、という使い分けをしたいなぁと本屋勤務の私は思います。

便利に切り落としていかなければならないものがある世の中だとしても。
by さくら (2012-10-08 12:26) 

末尾ルコ(アルベール)

映画と本…。
本当に素晴らしく同感で、胸が熱くさえなります。
日本人の多くが淀川さんを尊敬していた時代。
今とはずいぶん違った景色でした。

                            RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2012-10-08 17:34) 

fujiki

さくらさんへ
コメントありがとうございます。
デジタル化というのは曲者だと、
最近は特に思います。

by fujiki (2012-10-09 08:14) 

fujiki

RUKOさんへ
いつもお読み頂きありがとうございます。
フィルムの映画館が何らかの形で残るといいのですが、
保存が難しいものですし、
無理なのかも知れませんね。
by fujiki (2012-10-09 08:15) 

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