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再発性アフタ性口内炎の予防について [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に廻る予定です。

何の関係もありませんが、
今新国立劇場で上演中の「ドン・ジョバンニ」はお勧めです。
タイトルロールに満足が行くことは、
この演目は滅多になく、
僕も未だかつて一度もありませんでしたが、
今回はちょっと違います。
演出も再演ですが、
新国立劇場のすさまじく酷い演出だらけの中では、
悪くはないものです。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
アフタ口内炎の治療論文.jpg
Journal of American Dental Association誌の今月号に掲載された、
再発性の口内炎の治療についての論文です。

アフタ性口内炎というのは、
最も一般的な口内炎で、
一度もその経験のないと言う方は、
少ないのではないかと思います。

風邪を引いたり疲れが溜まったりした時に、
口の中が酷く痛むので、
鏡で見てみると、
赤い粘膜に浅い潰瘍のような、
白い丸い部分が出来ていて、
そこが痛むのが分かります。

これがアフタ性口内炎です。

治るまでには1週間か、
場合によっては数週間を要することもあり、
その間は口の中の不快感と痛みに苦しみ、
いつもは楽しい食事も、
痛みのために苦痛としか感じられなくなります。

再発するのも特徴で、
1つが治ると、
たちまちに別の場所に出来ることもあります。
1ヶ月に数回繰り返すようなことも、
稀ではありません。

その出来るメカニズムは、
これだけ一般的な物であるにも関わらず、
あまり明確には分かっていません。
繰り返し易い体質はあり、
ストレスやアレルギー、
自己免疫との関連も指摘されることがありますが、
ベーチェット病のように、
全身疾患の症状の1つとして、
現われるものを除けば、
その詳細はまだ不明のままです。

アフタ性口内炎にビタミン剤が効く、
というのは、
一般に半ば常識のように語られている、
情報の1つです。

多くのビタミン剤が、
「口内炎の薬」という名目で売られていますし、
そうした説明がされています。

口内炎のために医療機関を受診すると、
局所に貼り付けたり塗ったりする薬と共に、
飲み薬として出されるのは、
ビタミン剤以外にはありません。

しかし、
実際にビタミン剤は、
どの程度アフタ性口内炎に、
有効性があるのでしょうか?

ある種のビタミンの欠乏が、
再発性の口内炎の原因となることは事実です。

これまでに指摘のあるものとしては、
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB1、B2、B6が、
それぞれ関連を指摘されています。
つまり、こうしたビタミンの欠乏があると、
口内炎の原因となることは事実です。

1991年の文献では、
再発性のアフタ性口内炎の患者さんのうち、
3割弱の方にビタミンB1、B2、B6のいずれかの欠乏があり、
それを補充することにより、
口内炎の再発が抑制された、
という結果が示されています。

しかし、その一方であまり関連性はない、
という複数の報告もあります。

そこで今回の文献では、
最近の1年間に3回以上アフタ性口内炎の症状を経験した、
18歳以上の160名を対象として、
くじ引きで2つの群に分け、
一方は市販のマルチビタミンのサプリメントを、
毎日1錠飲み、
もう一方は偽のビタミン剤を飲み続け、
その後1年間の経過を観察して、
その間の口内炎の再発の有無を比較しています。

その結果…

ビタミン剤を飲んでいても飲まなくても、
口内炎の再発の頻度も、
その回復までの時間も、
何ら変化はない、
という結果が得られました。

つまり、
少なくとも市販のビタミン剤のレベルでは、
口内炎の予防にあまり効果は期待出来ないようです。

ただし、
例数は少ないのですが、
2009年の文献によると、
ビタミンB12の半年の使用により、
口内炎の再発が有意に抑制された、
というデータも存在しています。

この場合使用されたビタミンB12 は、
1日1000μgですが、
今回使用されたマルチビタミンには、
B12は6μgしか含まれてはいません。

つまり、ある程度高用量のビタミンを使用しないと、
ビタミン欠乏による口内炎に対しての、
ビタミン剤の効果は得られないのではないか、
と思われます。

個人的にはビタミンB12 の欠乏による、
再発性のアフタ性口内炎は、
何例か経験があり、
その診断は血液のビタミン濃度測定で可能で、
ビタミン剤が著効することは間違いがありません。

従って、
再発性の口内炎では、
一度はビタミンB12の測定は必要で、
その上でのビタミン剤の使用には有効性がありますが、
闇雲にビタミン剤を口内炎に使用しても、
あまり有効ではないのではないかと思います。

今日はビタミン剤による口内炎の予防効果についての話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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コメント 4

さーやん

おはようございます
三ヶ月ぶりです
これからもよろしく^-^)
by さーやん (2012-04-25 08:53) 

こはく

いつもありがとうございます。
子供たちも私も10年位前によく口内炎になっていましたが
最近は全くできていません。
10年位前に思い当たるのは
当時、玄米菜食に傾倒していた、ことなのですが
栄養が不足していたのか他に原因があったのか
それともたまたま、だったのでしょうか?
by こはく (2012-04-25 10:48) 

fujiki

さーやんさんへ
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2012-04-26 08:18) 

fujiki

こはくさんへ
菜食でビタミンB12が欠乏することは有りうるので、
その可能性はゼロとは言えないと思います。
by fujiki (2012-04-26 08:19) 

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