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維新派と野外劇の話 [演劇]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診です。
いつものように駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
維新派パンフ.jpg
おそらく現存の劇団では、
最もスケールの大きな野外劇を上演する関西の劇団、
「維新派」の新作のチラシです。

結成は1970年ですから結構古いのですが、
あまり関東では公演を行なわず、
僕が最初に観たのは、
新国立劇場に招かれて上演した、
2003年の「nocturne 」でした。

野外に手造りの大セットを組んで、
上演する姿が本来なので、
こじんまりとした劇場の公演では、
本領発揮とはいかなかったのですが、
それでも独特のリズムで足を踏み鳴らすようにして踊る、
一種の群舞は、
1回体験しただけで身体に染み渡り、
耳に残るような魅力があります。

その翌年に大阪の南港で、
「キートン」という野外の公演があったので、
これは何としても行かなくてはと、
無理して大阪まで往復しました。

その題名の通り、
バスター・キートンの映画がモチーフになっていて、
クライマックスには巨大な橋が舞台に屹立して、
そこを蒸気機関車が走り抜けます。
ラストはキートンは背後の彼方の海に向けて、
何処までも駆けて行きます。

この頃の維新派の芝居には、
意味の取れるような台詞は殆どありません。
群舞があって、言葉は発せられるのですが、
たとえば世界の都市の名前を、
次々と言うだけ、といった具合で、
演劇的な台詞はないのです。

「キートン」で言えば、
映画館を覗き込んだ少年が、
キートンの映画の世界に入り込み、
彼と共にアメリカの歴史を駆け抜ける、
ということのように理解はしましたが、
ドラマらしきものはあっても、
説明的な台詞は何もなく、
かと言って仕草も明確なものではないので、
観ていてその意味が、
はっきり取れるようなものではありませんでした。

その後数年前から、
20世紀3部作、と題された公演が始まり、
世界の様々な地域の、
移民の歴史を扱った作品でしたが、
その2作目は琵琶湖のほとりで上演されたので、
これも無理をして出かけました。

舞台後方は琵琶湖の水面がそのまま続いていて、
ラストには舞台全体が水に覆われ、
背後の水面に巨大な月が上がり、
巨人の乗った船がゆっくりと通り過ぎます。

例によって内容はよく分かりません。
ただ、非常に美しく刺激的な舞台であることは確かで、
強行軍で出掛けた甲斐はありました。

その翌年は「ろじ式」という劇場内での公演があり、
これは東京でも上演されました。
この公演から台詞らしきものが増え、
つげ義春のメッキ工場の話などがモチーフのようでした。

そして、今回3部作の完結編は、
8月に犬島という瀬戸内海の小島で上演され、
先週埼玉の彩の国で関東での公演がありました。

犬島へはとても仕事の都合で無理だったので断念し、
先週の埼玉へは何とか足を運びました。

今回は台詞らしきものがはっきりと増え、
掛け合いめいたものもあったので、
ちょっと驚きました。
ただ、そこに割と露骨な思想性が垣間見えると、
何か鼻白む思いがしたことも事実です。

維新派はダンスから演劇に、
よりスタンスを変えつつあるのかも知れません。
こじんまりした方向に向かうのだとすれば、
ちょっと残念ですが、
仕方のないことかも知れません。

また、それほど不便ではない場所で、
大掛かりな公演があればな、
と思います。

今日は維新派と野外劇の話でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 2

yuuri37

>クライマックスには巨大な橋が舞台に屹立して、そこを蒸気機関車が走り抜けます。ラストはキートンは背後の彼方の海に向けて、何処までも駆けて行きます。
う~ん、何だか迫力ありますね。ちょっとこのシーンが見てみたいと思いました。
いつか観てみたいなあ。。。私にそんな時間が出来るまで続いていて欲しいなあ^^;
by yuuri37 (2010-12-13 01:00) 

fujiki

yuuri37 さんへ
コメントありがとうございます。
好みはありますが、
野外で大掛かりなものに関しては、
少なくとも一見の価値はあります。
ご機会があれば是非。
by fujiki (2010-12-13 09:04) 

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