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EBウイルスと胃癌の話 [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

尚本日の診療は午後は5時20分で受付終了となりますので、
ご注意の上受診をお願いします。

それでは今日の話題です。

今日はEBウイルス関連の、
補足的な話です。

EBウイルスは多くの癌と、
関連のあるウイルスであることが知られています。

その代表は勿論リンパ腫で、
バーキットリンパ腫やホジキンリンパ腫、
NK細胞性リンパ腫などの、
多くのリンパ腫の原因となっています。
これは感染したリンパ球が、
何らかの原因により更に変異を起こし、
腫瘍化したものと考えられます。

それ以外に上咽頭癌と胃癌も、
EBウイルス感染と関連が深いと考えられています。

胃癌全体の1割にはEBウイルスの胃粘膜への感染がある、
と言われています。
つまり胃癌の細胞の中に、
EBウイルスの感染が認められるのです。
これはまず萎縮性胃炎の部分に起こる炎症に、
リンパ球が集まり、
その中にいたEBウイルスに感染したリンパ球が、
胃の上皮細胞に感染することで、
発癌に関与するのではないか、
と考えられています。

上咽頭癌も同様のメカニズムで、
炎症部位に集まったリンパ球から、
感染が上皮細胞に及ぶと推測されます。

問題になるのは、
これも胃癌の原因として有名な、
ピロリ菌感染との関係ですが、
ピロリ菌による萎縮性胃炎があることが、
EBウイルス感染の条件になるので、
EBウイルス単独で胃癌が発生する可能性は低いのでは、
という考え方が一般的です。

つまり、ピロリ菌の早期の除菌は、
EBウイルスによる胃癌にも、
同様に有効と考えられます。

EBウイルス感染を伴う胃癌は、
低分化癌が多いのですが、
同じ低分化の癌の中では、
比較的予後が良いと報告されています。
また、胃の部分切除後の方では、
このEBウイルス関連胃癌は、
比較的高率に発生するとされています。

癌以外の病気との関連で言うと、
甲状腺の病気とEBウイルスとの関連が、
最近学会報告などで取り上げられています。

甲状腺が痛みを伴って炎症を起こす、
亜急性甲状腺炎という病気がありますが、
この原因としてEBウイルス感染があり、
しかもその炎症後に自己抗体が出現して、
バセドウ病になる、と言うのです。

膠原病というのは自分の細胞に対する抗体の出来る病気で、
慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスはその代表ですが、
バセドウ病も自己抗体による病気の1つです。

EBウイルスが自分のリンパ球に感染することにより、
自分の細胞に対する抗体が出来易くなる、
というのは証明はされていませんが、
有り得ることではあると思います。

つまり、免疫の病気と考えられた病気の多くが、
実は感染症が引き金になっている可能性があるのです。

僕は個人的には、
おそらく全ての膠原病は、
大なり小なり感染症である、
と思っています。

今日はEBウイルスに関する補足的な話題でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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