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ジェネリック薬品をちょっと深く考える [悪口]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

昨日はデセイ様の「夢遊病の娘」が、
NHKで放映されたので、
今日はちょっと良い気分。
ただ、歌はボチボチで、
絶頂期の陶酔感には距離があります。
まあ、仕方がないですね。

朝から事務仕事をして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

少し前に取り上げたジェネリック薬品の理不尽について、
前回を補足する情報を幾つかご紹介し、
その闇を考えます。

今日お話することの多くは、
診療所にご訪問頂いた、
製薬会社の情報担当者の方から、
お聞きしたものです。

製薬会社の多くは、
現在外資とのグループ企業になっています。

しかし、ジェネリックの会社は全て国内の企業です。
それも多くは中小の企業ですね。

それはどうしてでしょうか?

これは言うまでもなく、
国が規制をしているからです。
つまり海外のジェネリック企業を、
日本の市場から締め出している訳です。

世界的なシェアを持つジェネリック企業というものもあって、
その1つはインドが本社の大企業です。

なるほどな、という感じですね。

厚生労働省の戦略は、大方先が見えていて、
まず「ジェネリックやりなよ。優遇するよ。儲かるよ」
と言って国内の中小企業を募ります。
甘い餌に釣られて、多くの企業が参入します。
その多くは、自力で薬品を開発するような、
技術も体力もない企業です。

そしてしばらく甘い汁を吸わせておいて、
ある日規制を撤廃します。

すると、インドの大企業のような、
世界的なジェネリック企業が、
うわっと日本に入って来て、
日本の市場を席巻します。
当然、殆どの国内のジェネリック企業は、
潰れて跡形もなくなる、という仕組みです。

ちょっと新しい書類を作り、
ひょいひょいとサインをするだけで、
ある日からジェネリックの企業が出現し、
そこに多くの利権が群がり、
ジェネリック村が繁栄をするのですが、
またしばらくして、同じ権力者が、
また別の書類に、
ひょいひょいとサインをすると、
今度は海外から黒船が煙を上げてやって来て、
瞬く間にジェネリック日本村は消滅します。

ちょっとした手先の運動で、
1つの産業が興隆したり、
衰退したり、自由自在な訳ですから、
さぞかし権力者の皆さんは楽しいことかと推測します。

しかし、振り回される下々は、
本当にいい迷惑です。

健康保険の適応となる、
全ての薬の値段である薬価は、
2年毎に改定となり、
概ね6~8%は自動的に下がります。

皆さんは薬の値段はジェネリックが出るからこそ下がるのだ、
と思われるかも知れませんが、
実際には2年毎に先発品の値段も、
国家の名の下に、強制的に下げられているのです。

ちなみに今年は7%程度、
全ての薬価が引き下げになりました。

たとえば1錠300円の薬があるとします。

発売2年後にはそれが279円になり、4年後には259円になり、
6年後には241円になり、8年後には224円になります。
先発品の値段としては10年後に208円になるのですが、
その年に同時に、特許が切れると、
208円の8割、すなわち167円のジェネリックが発売されます。

これは1つのサンプルで、
必ずしも全てがその通りになる訳ではありませんが、
概ねこのように、お上の手によって値付けが行なわれ、
国家レベルのデフレ政策が取られている、ということになります。

こんな数字のマジックで帳尻を合わせることが、
本当に医療を良くすることに繋がるのでしょうか?

僕には到底そうは思えません。

薬も商品である以上、
その適切な価格、というものがある筈です。
常に新しい商品を出し続けなければ経営が成り立たず、
ようやく開発した新薬にも関わらず、
それが数年で他の「小判鮫企業」に盗られ、
発売した商品も2年毎に強制的に価格を下げられるなど、
そんな理不尽な決まりがあるでしょうか?

その結果として、
新薬には最初は法外な値段が付けられるのです。
特許期間中に利潤を出し、
開発に掛かった巨額の費用を回収するには、
そうせざるを得ないからです。

たとえば今年、数十年ぶりに痛風の新薬が発売されるそうですが、
これは別に大して前の薬と変わらないのです。
にも関わらず何故薬が出るのかと言えば、
以前の薬はもう、
採算の取れないような薬になってしまっているからです。

画期的な新薬など、
100に1つもないでしょう。
にも関わらず毎年じゃんじゃん新薬もどきが発売されるのは、
古くて良い薬が採算の取れなくなるような仕組みがあるからです。

高血圧で一番有効性があり、データの蓄積があり、
安全性も確立されている薬はなんでしょうか?
サイアザイド系利尿剤です。
しかし、現在ではゴミのような薬価のために、
その代表のダイクロトライドは、
先発品はこの3月で姿を消し、
ジェネリックのみが流通することになります。

これがあるべき姿でしょうか?

良い薬を開発した企業が、
その自社で開発した良い薬を作り続けることが出来ず、
「なんちゃって新薬」を出し続けなければ潰れてしまうような状況は、
果たして健全なものでしょうか?

そのくらいなら、新薬の値段自体はもっと安くして、
その代わりもっと特許期間を長くすると共に、
自動的に薬価を下げるような、
愚劣な規則は廃した方が、
ずっと理に適っているように僕には思えます。
良い薬がその開発者の手によって、
長く使い続けられるような仕組みを作るべきなのです。
薬の値段が発売からの時間だけで値付けをされる、
今の仕組みは間違っています。

ジェネリックはグローバルスタンダードなのだ、
というような意見があります。

しかし、本当にそうでしょうか?

ジェネリックや薬の特許期間のような制度は、
国毎に勝手に決めている制度に過ぎません。
その証拠に少し前まで、
日本に後発品は存在しても、
現在のようなジェネリックの制度はありませんでした。

お手本とされたアメリカでは、
確かにジェネリックが出現すると、
一気に先発品の売り上げは10分の1になるそうです。
しかし、それで別に医療費がトータルで減る、
という訳ではなさそうですし、
アメリカでやっているから、
素晴らしい制度だと、
思う必要もない筈です。

アメリカ信仰は良くない、というのが、
最近の一般的風潮ですが、
こと医療の世界では、
ジェネリック信仰といい、ワクチン信仰といい、
アメリカ一国崇拝主義はまだ続いているようです。
今回の新型インフルエンザ騒動でも、
ワクチンこそ善、という考え方は、
アメリカの信仰であって、世界全体のそれではない、
という事実は明らかだと僕は思います。

他にもアメリカにはおかしな点は沢山あります。

たとえば、糖尿病の新薬は、
同じ薬効のアメリカの製薬会社の商品は、
逸早く承認されたのに、
日本の大手の製薬会社の商品は、
審査の途中で、
臨床試験の結果に不備があったからと、
難癖を付けられ、
試験のやり直しを命じられて、
承認が大きく遅れました。

特許の期間には臨床試験の期間も含まれるため、
承認が遅れれば、それだけ不利になり、
収益も減る仕組みです。

何処かで聞いたような話ですよね。

そう、トヨタのリコールと同じです。
どちらもそれなりの落ち度や不備はあるのですが、
明らかな差別があり、
自国の製品を守るためのイジメなのです。

つまりこうした取り決めの裏には、
利益誘導があり、
公正さとは無縁の世界なのです。

そもそも現在の世界に、
グローバルスタンダードなどあるでしょうか?

イランはイランのスタンダードを主張し、
アメリカはアメリカの、中国は中国の、
インドはインドの、エゴを剥き出しに、
自分達のスタンダードの、
押し付け合戦をしているだけの世の中です。

これは医療制度に限らないと思いますが、
外を見ても意味はなく、
むしろ内向きにあるべき姿を、
模索するべきではないのでしょうか?

皆さんはどうお考えになりますか?

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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コメント 8

midori

デセイ様,7月来日ですね.
テレビ放送は,その宣伝でしょうか.NHKですけど.

いま私はジェネリック薬品を1つ飲んでいますが,それは調剤薬局の都合でして,
今度,営業時間の都合で薬局を替えたら,その種類は先発品しか扱っていないと言われて,
結局,最初の処方どおりに戻すことにしました.
薬価は安すぎてほとんど変わらないし,まぁ問題にするほどのことではないのですが,
当事者である患者と主治医が置き去りにされている感じで,なんだかなぁという気はします.
by midori (2010-03-05 11:13) 

Y.T

先生、こんにちは。

医薬品だと、臨床試験などのために特許を実施できない期間を補うために、存続期間の延長制度がありますが、それではきっと不十分なのですね…。
延長可能期間を10年くらいにするか、製造の許可を受けるまでの期間が短くなるといいのでしょうか?
素人目には、価格の操作らしきことが行われているのが一番問題のような。。。

あ、後発医薬品を製造する企業を制限(それまで先発品と同等の薬を開発するために、かなり投資をしてきたことを証明すること等)を設けられれば、ただの小判鮫企業は排除できるかもしれませんね(難しいか・・・)

by Y.T (2010-03-05 12:40) 

iyashi

とうとうクラビット(100)も姿を消し、100mgはジェネリックのみとなってしまいますね。
日本のとある大手製薬会社もインドのジェネリックメーカーを数年前に買収してグローバルな展開をしたかったようですが、うまくいっていないようですね。
その製薬会社が近々子会社として自社の製品の特許の切れた薬を発売するジェネリックメーカーを設立すると聞きました。
そうでもしていかないと先発メーカーもやってられないのでしょう。
by iyashi (2010-03-05 17:24) 

fujiki

midori さんへ
一応の予定はありますが、
この世界は当日キャンセルも稀ではないので、
まだあまり信用しないようにしています。

by fujiki (2010-03-05 22:12) 

fujiki

Y.T さんへ
コメントありがとうございます。

延長期間の話はよく知りませんでした。
また勉強します。

by fujiki (2010-03-05 22:20) 

fujiki

iyashi さんへ
コメントありがとうございます。

権利関係が複雑になり、
薬の名前は無意味に増え、
ジェネリックでありさえすればOK、
みたいな思考停止は、
決して良い結果を生まないと確信しています。
by fujiki (2010-03-05 22:29) 

くみゃん

ど素人がこんなこと言うのもなんですが、ジェネリックであれ、新薬であれ、処方するお医者さんの腕(勉強と思考と信頼関係)だと思います。患者さんを第一に考えて欲しいです。利権にかかわる人は国民を第一に考えていないでしょうから、頼れるのは先生です。よろしくたのんまっさ。(関西のおばちゃんより)
by くみゃん (2010-06-04 12:32) 

fujiki

くみゃんさんへ
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2010-06-04 21:16) 

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