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ビタミンDの必要量についての一考察 [科学検証]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診の結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日はビタミンDの必要量についての話です。
ビタミンDは身体の中で、
何種類かに形を変えて、
存在しています。

身体の中で利用されるビタミンDの出所は、
2つあって、
その1つは食事から直接摂取されるビタミンDで、
もう1つは皮膚で紫外線の作用で作られる、
ビタミンDです。
どちらのビタミンDも、
肝臓で水酸化という処理を受け、
血液の中では25(OH)Dという形で、
存在しています。

従って、血液の25(OH)Dを測れば、
ある程度身体の中にある、
ビタミンDの量を、
推測することが出来るのです。

よろしいでしょうか。

ただ、以前も触れたように、
実際に効果を示すのは、
主には腎臓でもう一箇所を水酸化された、
1,25(OH)Dです。
これを活性型ビタミンDと呼んでいます。
この量も、血液で測ることが出来ます。
当然原料の25(OH)Dと比べれば、
その量はぐっと少なくなります。
おおむね100分の1くらいですね。

要するに、身体は多くのビタミンDを、
不活性の効果の出ない形で、
血液の中にストックしていて、
必要に応じてその一部を、
活性型に変えて利用しているのです。
なかなか巧妙な仕組みですよね。

では、ちょっとこれを見て頂きます。

ちょっと細かい図で見辛いことをお詫びします。

これは以前僕がビタミンDの研究をしていた時に、
ビタミンDを計測し、
学会発表用に図にしたものです。
引用ではなく、
僕自身のデータです。

2つのグラフが並んでいますが、
向かって右側が年齢と1,25(OH)Dとの関係で、
左側が年齢と25(OH)Dとの関係を示しています。
黒い点の1つ1つが、
個別の方のデータです。
基本的にビタミンDに影響する、
ご病気を持たない方のデータですね。
いずれのグラフでも、
横軸が年齢で、縦軸はビタミンDの数値です。

まず右のグラフを見て下さい。
1,25(OH)D、すなわち腎臓で活性化されたビタミンDは、
平均30pg/ml くらいのレベルで推移しています。
そして、年齢と共に、
なだらかに減少しています。

その一方で、左のグラフを見ると、
血液の中のビタミンDの全体は、
平均20ng/ml くらいで結構幅があり、
年齢ともあまり関係はなさそうです。

これから何が言えるかというと、
年齢と共に、ビタミンD自体は減らないけれど、
ビタミンDを活性化する力は、
年齢と共に低下するのです。
活性化されたビタミンDが減れば、
小腸から吸収されるカルシウムが減り、
結果として骨はもろくなります。

これが年齢と共に骨が減ることの、
1つの要因です。

これだけクリアなデータは、
多分教科書やそこらの医学書には書いてないと思います。

それでは年齢と共に骨が減るのを、
予防するにはどうしたらいいでしょうか?

そう。活性型のビタミンDを補充すればいいのです。

ポイントは、食事のビタミンDの量を増やしても、
意味はないということです。
ビタミンDの材料は足りているのです。
要は活性化の働きが落ちていることが、
原因だからです。
従って、活性型のビタミンDを補充する必要があります。

ここで1つ確認しておきましょう。

サプリメントとして売られているビタミンDと、
医者が処方するビタミンDの、
違いは何でしょうか?

サプリメントとして使われているビタミンDは、
native D と言って、
基本的には食事から入るビタミンDと同じものです。
その一方で、日本で薬として使われているビタミンDは、
活性型ビタミンDそのものなのです。

この両者は一長一短があります。
上の例のように、活性化が障害されて、
骨が減っているような場合には、
サプリメントのビタミンDでは効果はありません。
その一方で、ビタミンDを取る量が不足して、
骨に異常が出ているような場合には、
活性化ビタミンDを飲むよりも、
サプリメントを取った方が、
より自然に近い効果があるのです。
つまり、活性化の障害がなければ、
どのくらいの量を活性化するかの判断は、
身体に任せた方がうまくいく筈だからです。

海外では医療用の非活性型ビタミンDもあるのですが、
日本にはありません。

その点が、ビタミンDという類い稀な効果を持つ薬を、
うまく使うのを妨げている日本の医療の問題点です。

本来は病態に合わせて、
native D と活性型Dとを使い分けないといけないのに、
日本の医者は活性型のビタミンDのみを処方し、
総じてその問題点に気付いていないからです。
一方健康のためにビタミンDのサプリメントを飲まれている方は、
それが無意味な場合もあることに、
お気付きでないケースも多いと思います。

ええと、ビタミンDの必要量の話まで、
今日は辿り着けませんでした。
その点については明日取り上げたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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コメント 4

tanico

サプリと薬のビタミンの違いは、本当に勉強になります。
先生ご自身のデータだなんて!

今、たまたまうちのステロイド減量中猫は(正確には副腎リハビリ中)、
ビタミンDを摂取していました。
量のお話が気になるところです。
因みに、前の記事のステロイドの副作用を防ぐ場合は、活性型の方がいいのでしょうか?

優秀な息子の話もお待ちしてますね!
by tanico (2009-02-27 11:23) 

miyabi

昨日のお話の、
『ステロイド家族には、馬力の塊のような「糖質コルチコイド」父さんと、
命の水の管理をする「電解質コルチコイド」母さんがいて、
よく出来たビタミンDという娘と、これまた優秀なDHEA息子がいます。』
わかりやすい説明で読んでいてもとても楽しかった(笑)です。
今日は私も優秀な息子の話を楽しみにしてましたが…
でも今日の話も本当に勉強になります!
私は現在“トヨファロール”というビタミンDを毎日飲んでいますが…
病院で処方されているものです。
ステロイドはここ数カ月ほとんど飲んでいません。
薬の話は知らないと意味のないものだったりもするんですね。

続きを楽しみにしています。

by miyabi (2009-02-27 20:04) 

fujiki

tanicoさんへ
いつも読んで頂きありがとうございます。

単純にそれだけとも言い切れないのですが、
現状でステロイドの副作用を抑える目的では、
少量の活性型ビタミンDを使う方がいいようです。
この点も以前僕の調べたデータがあるので、
今度お見せしますね。

DHEAの話は少々お待ち下さい。
by fujiki (2009-02-27 21:05) 

fujiki

miyabiさんへ
いつもありがとうございます。
ご経過は順調のようで、
良かったですね。
ビタミンDは控え目に、
けなげに良い働きをしているのが、
僕は凄く好きです。
コレステロールの血筋なのに、
脂ぎったところもないのです。
by fujiki (2009-02-27 21:11) 

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