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原因不明の腹痛の謎(前編) [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診の結果の整理をして、
診断書を書いて、
それから今PCに向かっています。

それでは、今日の話題です。

今日は診療所で遭遇した1つの腹痛の事例を、
ご紹介します。
基本的に事実を元にしていますが、
ご本人の特定を避けるため、
細部には敢えて変えた部分のあることを、
予めお断りしておきます。

Kさんは30代の女性です。
特に持病はなく、妊娠歴もありません。

仕事は事務職ですが、
残業が多く、
特にその年の春は日曜日も出勤のことが続きました。

そんなある日…

夜中から、
激しいお腹の痛みがKさんを襲いました。

痛みは右の下腹に強く、
上に突き上げるような感じの痛みでした。
その痛みは、Kさんがそれまで感じた、
どのような痛みとも違っていました。
それから茶色い水のような下痢になりました。

Kさんは近所の救急病院にその夜のうちに受診。
症状が強いために入院となりました。

入院してから絶食が指示され、
点滴が行われました。

それにより次の日には症状はかなり和らぎました。

それから、検査が行なわれました。

血液の検査では、白血球が少し上がっていましたが、
それ程ではありませんでした。
炎症反応の上昇も軽度です。
それ以外には血液の異常は特にありませんでした。

お腹のレントゲンでは、
小腸のガスが少し目立ちましたが、
腸が詰っているような所見はありませんでした。
便の検査では特別な細菌などは検出されません。
出血もありません。

CTの検査も行なわれましたが、
これも腸の拡張が目立つくらいで、
明らかな異常はありませんでした。
Kさんは盲腸はまだしていませんでしたが、
検査からは盲腸の所見はなかったのです。

10日間の入院の後、
Kさんは退院になりました。
主治医の診断は「感染性腸炎」。
これは細菌やウイルスが腸の炎症を起こし、
腹痛や下痢、嘔吐、発熱を伴うもので、
ノロウイルスにようるものが有名になりました。
まあ、経過から見れば、
妥当な診断と思われました。

ところが…

退院後も、Kさんのお腹の調子は、
すっきりはしませんでした。
痛みは軽くなり、退院の時には、
治ったかな、と思われたのですが、
仕事に復帰してみると、
矢張り痛みが残るのです。

完全に良くなった、という実感はなく、
鈍い痛みが常に付き纏います。
そして、疲れた時にはその痛みが、
突き上げるような強さに戻ります。

痛みの場所は、
その時によっても変わる気がするのですが、
基本的には右の下腹であることには、
変わりがありません。

Kさんはおかしいと思い、
再度病院を受診しました。

病院では再び簡単な検査をしましたが、
レントゲンも血液の検査も、
大きな異常はありません。
白血球がやや上がっている程度です。
医者は痛み止めと抗生物質を数日分処方し、
それで様子を見るよう指示しました。

一時は薬で良くなった気がしたのですが、
それからしばらくすると、
再び痛みがぶり返して来ました。
仕事も休みがちとなります。

その状態が、ずるずると、
半年以上も続いたのです。

その時点で、Kさんは僕の所へ相談に見えました。

僕は話を聞いて、おかしいと思いました。

感染性腸炎とはあくまで一時的な病気です。
身体に他の問題がなければ、
慢性に続くことはない筈です。

それで、大きな病院で精査をした方がいい、
とアドバイスして、
紹介状を書きました。

Kさんはそれからある大学病院の消化器内科を受診し、
再び、血液の検査やレントゲン、
CTやMRIの検査を繰り返しました。
しかし、それほどの異常は見付からず、
担当医は「少し様子を見ましょう」、
と曖昧な対応を繰り返しました。

Kさんは一ヶ月通った所で、
自分から受診するのを止めました。
それ以上通っても、無意味だと感じたからです。

それからもKさんの痛みは断続的に続き、
そして、最初に痛みを感じてから、
何と11ヶ月後、
遂に近所の病院で診断が付いたのです。

大学病院でも分からなかった、
この病気の正体は、
一体何だったのでしょうか?

その答えは明日お話します。

皆さんも、ちょっとお考え下さいね。

それでは今日のこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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