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「ジグソウ:ソウ・レガシー」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が外来を担当し、
午後は石原が担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
ジグソウ:ソウ・レガシー.jpg
第1作がこれまでにない新しいホラー・スリラーとして、
大ヒットし、
これまでに7作品がシリーズとして製作された、
「ソウ」シリーズの最新作が、
今ロードショー公開されています。

日本では乙一さんの小説などがあるので、
公開当初はそれほど目新しいという印象はなかったのですが、
ある日気がつくと見知らぬ部屋の中にいて、
謎の声が聞こえ、
サバイバルのための残酷なゲームが始まる、
という趣向の面白さと、
徹底した「痛さ」を感じるような残酷描写、
そしてラストに意外な真相が明らかになり、
それを超高速の早回しのように説明するネタばらしなど、
必ずしもこのシリーズがオリジナルとは言えないのですが、
1つの定番の趣向として確立され、
その後のホラーやミステリーに多大な影響を与えました。

ただ、シリーズの常で、
初期の新鮮さは次第に失われ、
残酷描写だけが売り物の粗雑なスリラーにレベルダウンして、
7作目をもって一応の打ち止めとなったのです。

さて、今回久しぶりに復活した「ソウ」シリーズの新作は、
ゲーム殺人鬼のジグソウが、
死亡して10年後が舞台となっています。
死んだはずのジグソウをそのままコピーしたような、
連続殺人が起こり、
何処かで死のゲームが行われているらしい、
という話になり、
その死のゲームの模様と、
それを追う捜査官や検死医の行動が並行して描かれ、
途中で死んだ筈のジグソウが実は生きているの?
という話になり、
そして意外な真相が明らかになります。

正直これまでの「ソウ」シリーズを観ている人には、
ほぼほぼ真相は分かってしまうような内容です。
過去作のあるものと良く似たトリックが使われています。

ただ、そうした点を差し引いても、
原点に戻ろうという姿勢が強く感じられて、
とても楽しく観賞出来ました。
台本もなかなか練り上げられていたと思いますし、
即物的な残酷描写も悪くありませんでした。

悪趣味でグロな映画であることは間違いがありませんので、
万人向きではありませんが、
こうした物がお好きな方には、
「今回のソウは悪くないよ」
くらいは言って間違いがないと思います。

マニアにはお勧めです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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DPP-4と認知機能との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
DPP4と認知機能.jpg
今年のFrontiers in Aging Neuroscience誌に掲載された、
糖尿病との関連で指摘されることの多い、
インクレチンを分解するDPP-4という酵素と、
認知機能との関連についての論文です。

老化と関連のある物質というのは、
昨日取り上げたオステオポンチンなど複数が指摘されていますが、
インスリン分泌を刺激するインクレチンを分解する酵素であるDPP-4も、
その1つの候補となる物質です。

インクレチンであるGLP-1は、
血糖を下げる以外に酸化ストレスを抑制し、
炎症を抑えるような働きがあります。
その反対に血液のGPP-4活性が高いと、
炎症や酸化ストレスが促進されるという知見もあります。

つまりDPP-4は老化を促進する物質である、
という可能性があるのです。

今回の研究は中国において、
60歳以上の年齢の糖尿病のない1229名の住民において、
血液のDPP-4活性の高さと、
認知機能との関連を検証しています。

対象者を登録してその経過を追ったものではなく、
ある時点での認知機能とDPP-4活性との関連を検討したものなので、
それほど精度の高いデータとは言えません。

その結果、
血液のDPP-4活性が4分割して最も低い群と比較すると、
最も高い群は2.26倍(95%CI; 1.36から3.76)、
有意に認知機能低下のリスクが増加していました。

これはまだそうした傾向があった、
と言う程度のものなのですが、
動物実験においてはDPP-4阻害剤による治療が、
認知機能の低下を予防した、という報告もあり、
DPP-4阻害剤やGLP-1アナログを、
治療に使うという選択肢がすぐに浮かぶ、
と言う点がこの知見の1つの大きな魅力です。

まだインクレチン関連薬で認知症が明確に予防された、
というようなデータはありませんが、
老化の1つの現れである筋肉量の病的な低下(サルコペニア)に対しては、
100例程度のデータですが、
DPP-4阻害剤で糖尿病の患者さんにおける改善がみられた、
という2つの報告があります。

このように老化の病態の一部に、
DPP-4が関連しているという知見は興味深く、
まだ確実性があるというレベルのものではありませんが、
今後の知見の積み重ねに期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

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長寿の予測因子としてのガレクチン3とオステオポンチン [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
オステオポンチンと長寿.jpg
2015年のClinical CHemistry and Laboratory Medicine誌に掲載された、
100歳を超える長寿の人と通常の高齢者で、
2種類のバイオマーカーを測定して、その比較をした論文です。

100歳を超えて持病のない長寿の人に、
そうでない大多数の人と比べてどのような特徴があるのか、
というのは長寿医学や老年医学において注目をされる分野で、
日本でも研究が行われ幾つかの知見が報告されています。

今回の研究ではイタリアにおいて、
100歳を超える高齢者81名と、
70から80歳の通常の高齢者46名を対象として、
血液中のガレクチン3とオステオポンチンという2つのマーカーを測定し、
その違いを見たものです。

オステオポンチンについては、
このところ連日のように話題にしていますが、
そもそもは骨代謝のマーカーとして発見されたものですが、
炎症を誘発する炎症性サイトカインとしての性質を持ち、
老化によって特徴的に増加する免疫細胞から過剰に分泌されるため、
老化のマーカーの1つと想定されて多くの研究が行われています。
ただ、血液の濃度でどの程度のことが言えるのかは、
まだ議論の余地があります。

ガレクチン3というのは、
糖尿病の臓器障害で指摘されることの多い、
AGEs(終末糖化産物)と関連の大きなマーカーです。
過剰な糖により変成したタンパク質が、
これも炎症などを惹起して、
生物の老化の一因となっていることは広く知られています。
老化との関連という点では、
少し前まではその主役の位置にいました。
ガレクチン3というのはAGEsが結合する受容体タンパクの1つで、
ここに結合したAGEsは分解処理されるので、
老化を抑制するために働いていると想定されています。
老化の進行に伴いガレクチン3は増加するので、
ガレクチン3の増加というのは、
老化の原因ではなくその結果を示していると思われます。

さて、今回の検討においては、
ガレクチン3もオステオポンチンも、
通常高齢者と比較して100歳を超える高齢者で有意に低値を示していて、
この2つのマーカーを使用することにより、
健康な老化を高い精度で予測可能だ、
という結果になっていました。

これは2つのマーカーを使用しないとそうした結果にはならない、
という辺りがややトリッキーな感じがしますし、
この2つの組み合わせが適切であるという根拠も、
かなり弱いという気がします。
年齢をマッチングして比較したと言っても、
100歳のデータなどそもそもほとんどないのですから、
それが妥当なものなのかも疑問です。

正常な老化というものがあるのかどうかは、
ある種哲学的な問題かも知れませんが、
「健康で長生き」という抽象的な概念が、
科学的に検証され一定のデータとして算出可能、
という試みはそれなりには興味深く、
今後もこの分野のリサーチは続けたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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オステオポンチンと心血管疾患との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日でクリニックは午前中で終わり、
午後は産業医の面談に都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
オステオポンチンと心血管疾患.jpg
これは昨年のPLOS ONE誌に掲載されたものですが、
老化に関わる炎症性サイトカインであるオステオポンチンの血液濃度と、
心血管疾患との関連を、
PEACE研究という過去の大規模臨床研究のデータを活用して、
検証した論文です。

オステオポンチンが何かについては、
11月13日のブログ記事をご覧下さい。

PEACE研究というのは、
心機能が正常かやや低下した安定狭心症の患者さんに対する、
ACE阻害剤の上乗せ効果をみたものです。
そこに登録された3567名の冠動脈疾患の患者さんにおいて、
オステオポンチンの血液濃度を測定し、
心血管疾患の予後との関連を検証しています。

自然対数変換したオステオポンチン濃度の1ポイントの上昇に対して、
心血管疾患による死亡と非致死性心筋梗塞と心不全による入院を併せたリスクは、
1.56倍(95%CI; 1.27から1.92)有意に増加していました。
年齢と性別で補正しても、
そのリスクは1.31倍(95%CI; 1.06から1.61)、
喫煙や腎機能、糖尿病などの因子を全て補正しても、
1.24倍(95%CI; 1.01 から1.52)と、
弱いながら有意に相関が認められました。

個別のリスクに関してみると、
心不全による入院のリスクが、
2.04倍(95%CI; 1.44から2.89)と、
最も大きなリスクの増加を認めていました。

このように解析自体はちょっとトリッキーな感じもしますが、
心機能がそれほど低下していない安定狭心症の患者さんにおいて、
オステオポンチンの血液濃度は、
特に心不全のリスクについて関連のある可能性という結果が得られました。

オステオポンチンは老化や慢性の炎症性疾患などにおいて、
重要な意味合いを持つ物質であることは間違いがありませんが、
そのデータの解析法やその判断については、
まだ確立されたものはないようです。

それでは今日はこのくらいで。

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石原がお送りしました。

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DHAの非アルコール性脂肪肝炎進行予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
オステオポンチンがDHAで低下する.jpg
今年のPLOS ONE誌に掲載された、
オステオポンチンと脂肪肝炎に関する論文です。

非アルコール性脂肪肝炎というのは、
お酒をあまり飲まない人に、
アルコール性脂肪肝炎に似た、
中性脂肪の過剰な肝臓への蓄積が起こるもので、
進行すると肝硬変や肝臓癌のリスクも高まります。
内臓脂肪の蓄積と大きな関連があり、
メタボリックシンドロームの、
内臓病変の1つとして考える見方もあります。

内臓脂肪の蓄積が、
免疫老化と呼ばれるようなT細胞の変化をもたらし、
オステオポンチンという炎症物質の過剰な産生が、
慢性の炎症を惹起して老化を進行させるのでは、
という仮説があります。

この考え方からすれば、
内臓脂肪の蓄積によって生じる非アルコール性脂肪肝炎というのも、
この免疫老化の1つの現れということになる訳です。

今回の論文は免疫老化と直接に関連するものではなく、
DHA(ドコサヘキサエン酸)という、
青身魚の脂に多く含まれる多価不飽和脂肪酸(ω3脂肪酸)の、
高脂肪食によってもたらされた非アルコール性脂肪肝炎への、
進行予防と治療効果をみた動物実験の論文ですが、
脂肪肝炎の炎症マーカーの1つとして、
オステオポンチンを測定していて、
その変化を見ているという点で、
DHAのオステオポンチンへの効果もみるような結果となっています。

高脂肪食を22週間継続する負荷で、
メタボリックシンドロームと、
非アルコール性脂肪肝炎の状態となったネズミに対して、
その時点で解剖して検査をした場合と、
高脂肪食にオリーブオイルを加えた場合、
高脂肪食にDHAを加えた場合、
普段の飼料に戻してオリーブオイルを加えた場合、
普通の飼料に戻してDHAを加えた場合の、
4種類のパターンの食事を8週間継続し、
その後に解剖して検査を行なった場合の比較を行っています。

その結果…

オリーブオイルの補充では、
肝細胞の炎症や線維化は抑制されなかったのに対して、
DHAの補充を行なうと、
炎症性マーカーを含めて脂肪肝炎の進行が抑制されていました。
オステオポンチンも、
血液濃度においてはあまり変化を認めていませんが、
肝細胞内の発現量についてみると、
DHA群で強い抑制が認められました。

更に食事を高脂肪食から通常の飼料に戻し、
そこにオリーブオイルやDHAを添加すると、
肝臓の状態はほぼ高脂肪食負荷前の状態に、
改善していることが確認されました。

これを昨日の免疫老化と内臓脂肪との話と組み合わせて考えると、
内臓脂肪の蓄積に伴い、
肝細胞にも免疫老化が起こって炎症が持続し、
脂肪肝炎や肝臓の線維化などの変化が進行しますが、
DHAには内臓脂肪の組成を変化させて、
炎症を軽減する効果があり、
更に食事の脂肪量を低下させることにより、
その効果は持続可能なものとなって、
一旦進行した脂肪肝炎も、
改善する可能性がある、
ということになります。

これはまだ動物実験のレベルの知見で、
そのまま人間に適応可能であるかどうかは分かりませんが、
多くの慢性病に実は老化の促進という共通項があり、
それが食事+薬もしくはサプリメントという組み合わせで、
一定レベル改善させることが可能だ、
というデータは興味深く、
今後の検証を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

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