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「ゴーストバスターズ」(2016年公開版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも、
石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
go-sutobasuta-zu.jpg
1980年代の大ヒット作「ゴーストバスターズ」の、
本当に久しぶりの続編が公開されています。
シリーズは2作品があるのですが、
基本的には前作からストーリーが継続している訳ではなく、
1作目と2作目を繋げてリメイクしたような内容になっていて、
今回のゴーストバスターズは全員が女性、
というのが今回の特徴です。

これはなかなか楽しい作品で、
娯楽映画としてのクオリティは高いと思います。
物語にダレたところがありませんし、
ストーリーも明快に出来ています。
オリジナルのキャラクターも登場し、
前作に登場した役者さんの、
カメオ出演も楽しいところです。

わざわざ予告編と同じ、
一回りスクリーンより小さな画面を作り、
周辺の黒枠に光線やゴーストの噴出物が、
はみ出すという趣向もまずまずで、
3Dの効果も高いと思います。

最後が核兵器で決着するのが、
アメリカでは正義の核兵器というものがあるのだなあ、
と言う感じがして違和感がありますが、
これはそうしたものなのだと思います。

オリジナルはゴーストが全然怖くはないのですが、
今回の作品では、
ちょっとドキドキするようなショッカー演出もあり、
ゴーストの造形も、
個人的には今回の方が好みです。

そんな訳で個人的には楽しめましたし、
オリジナルよりむしろ今回の新作の方が、
完成度は高いと思いました。

ただ、集客は芳しくはないようで、
もう上映は今週でほぼ終了のようです。

残念な気はしますが、
作品の出来と集客というのは、
必ずしも一致はしないので仕方がないと思います。
もっとガチャガチャして目がちかちかするような映像の方が、
今の観客にはフィットしているのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

「ポケモンGO」による脇見運転リスクの解析 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
ポケモンGoの影響.jpg
今月のJAMA Internal Medicine誌にウェブ掲載されたレターですが、
「ポケモンGo」を運転中に使用している頻度を、
ツィッターから解析したという小ネタです。

「ポケモンGO」は日本でもアメリカでも、
大ヒットしたスマホのゲームとして、
一種の社会現象を巻き起こしています。

現実の町でポケモンを見付けてそれを捕獲して集めるという、
シンプルな構造が面白く、
現実に場所を移動しないとゲームが進行出来ないので、
運動不足の解消や、
引きこもりの解消にも、
効果があるのではないかという意見もありました。

その一方でスマホの画面に集中するあまり、
歩行者の転倒や、
自動車、自転車などの事故に結びつくのではないか、
というような危険も当初から指摘をされていました。

特に自動車運転中にゲームをすることは、
脇見運転のリスクが非常に高く、
ゲームの運営側もその点には配慮して、
移動速度が速いと、
ゲームが進まなくなるような制限を付けています。

しかし、それでゲームによる事故が防げるとは考え難く、
対応は不充分ではないかという声が大きくなっています。

今回の報告は、
2016年の7月10日から19日までの10日間の、
ツィッターのデータを解析し、
ポケモンや車、運転などのワードで検索を掛けて、
抽出された345433件のツイートを検証するとともに、
その10日間の自動車等の事故の事例にも検索を掛けています。

その結果…

たった10日間でドライバーや乗客、歩行者が、
ポケモンGOで注意を逸らされているケースが、
113993件見つかり、
全ツイートの18%では、
ドライバーが脇見運転をしていることが明確でした。
その一方で安全に関する警告のメッセージは、
13%でしか確認はされませんでした。
この10日間に、14件のポケモンGO実施中の交通事故が、
報道されています。

こうしたゲームに脇見運転のリスクがあることは間違いなく、
より大規模な調査が必要であると記事は結んでいます。

レターとは言え内科の専門誌に、
こうした記事が載ることも、
如何にもアメリカという感じがします。

個人的にはゲーム自体は、
熱を帯び過ぎなければ問題はないものと考えますが、
何にせよあっと言う間にネットで拡散して、
皆が同じ行動を取るという今の世界では、
安全対策も常に先回りをするような、
敏感な対応が必要になるのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

脳出血急性期の血圧コントロール目標(2016年の介入試験結果) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
脳出血後の血圧コントロール.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
脳出血の急性期の血圧コントロールについての論文です。

脳出血は非常に深刻な影響を身体に与える、
いわゆる脳卒中の一種で、
高血圧などの要因により脳内の血管が破綻し、
脳内に出血の起こる病気です。

この脳内出血の急性期には、
血圧をどのくらいにコントロールすることが適切なのでしょうか?

実はこれは正確には分かっていません。

高血圧は脳内出血の原因でもありますから、
血圧を正常にすることが、
再発を予防するには重要と考えられます。
また、脳内の出血が起こって、
血の塊である血腫が出来ていますから、
それを大きくしないためにも、
血圧を下げることが重要であると思われます。

その一方で、
多くの降圧剤は脳の血管を拡張させるような作用がありますから、
止血がまだ完成していない段階で血管が広がり、
血流が増加することが、
脳内の圧力である脳圧の亢進に繋がり、
患者さんの予後を悪化させるという危惧があります。

また、降圧により逆に脳の血流が低下することも想定され、
そうなると脳の機能低下が進行するという危惧もまた生じます。

概ね降圧剤で血圧を下げた方が、
患者さんの予後は良好であったという報告が、
後ろ向きのデータとしては複数存在しているのですが、
それではどのような薬を使用して、
どのくらいのレベルまで血圧を下げることが、
最も患者さんの予後に良い影響を与えるのか、
というような具体的な事項については、
精度の高いデータは殆ど存在していないのが実際です。

概ね現行のガイドラインにおいては、
収縮期血圧が180mmHg未満を目標にして、
降圧治療を行なうと記載がされていますが、
その根拠もそれほど明確なものではないのです。

2013年のNew England…誌に、
INTERACT2という臨床試験の結果が発表されています。

これはこの問題を検証した数少ない厳密な介入試験で、
症状出現後6時間以内の脳内出血の患者さんをくじ引きで2群に分け、
一方はガイドライン通りの収縮期血圧180mmHg未満を目標とした降圧を行い、
もう一方は140mmHg未満を目標とした降圧を行なって、
その予後を比較検証したものです。
その結果はより低い目標の降圧により、
生命予後には良い傾向が認められましたが、
統計的に有意ではない、というものでした。

この結果を受けて2015年版の日本のガイドラインでは、
「収縮期血圧140未満を目標として降圧を行っても良い」
という改訂を行っていますが、
強い推奨という扱いにはなっていません。

今回の研究は上記のものとは少しデザインを変え、
より多数例でのこの問題の検証を行ったものです。

対象は血腫量60cm3未満の脳内出血を起こした、
発症早期のGCSスコアが5以上の患者さん1000例を、
くじ引きで500例ずつの2群に分け、
一方は収縮期血圧を110から139mmHgとする強化コントロールを行い、
もう一方は140から179mmHgとする標準的なコントロールを行なって、
登録後3ヶ月の時点での予後を比較しています。
治療は発症から4.5時間以内として、
ニカルジピンの静注を行なっています。

その結果…

試験は当初より早く終了となりました。
中間解析の結果として、
強化コントロール群と通常コントロール群との間で、
明確は差はなく、
当初決められた基準に達しないことが明らかとなったからです。
腎機能低下などの有害事象については、
強化コントロールでより多く認められました。

現状では脳出血の発症早期において、
血圧値で140未満を目指すようなコントロールが、
患者さんの予後に良い影響を与えるという根拠は、
現状はないと考えた方が良さそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

新規GLP1アナログ セマグルチドの効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
セマグルチドの効果.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
糖尿病の新薬の臨床試験の結果をまとめた論文です。

2型糖尿病の治療の目標は、
心血管疾患のリスクを低減して、
患者さんの予後を糖尿病のない人に近づけることですが、
実際には治療により血糖自体は低下しても、
心血管疾患のリスクや総死亡のリスクを、
治療により低下させるというデータのある治療薬はごくわずかです。

最近精度の高い臨床試験により、
GLP1アナログという種類の糖尿病治療薬である、
リラグルチド(商品名ビクトーザ)が、
その使用による心血管疾患のリスク低下と、
総死亡のリスク低下を報告して大きな話題となりました。

しかし、その結果が他のGLP1アナログ製剤においても、
同じように成り立つかどうかは、
今の時点では明らかでありません。

セマグルチドはノボ・ノルディスク社の開発による、
週1回皮下注のタイプのGLP1アナログ製剤でですが、
現時点では2型糖尿病治療薬としての適応は、
アメリカでも通っておらず、
日本でも発売はされていません。
ただ、この薬は内服薬としても治験をされていて、
内服で週1回の薬剤として発売されれば、
その市場は確実に拡大すると思われます。

今回のデータはアメリカでの適応を目指して施行された、
臨床試験の結果です。

世界20か国の230の医療機関において、
通常の治療を行なっていても、
HbA1cが7.0%以上である2型糖尿病の患者さん、
トータル3297名をくじ引きで2つの群に分け、
一方はセマグルチドを1日0.5mgもしくは1.0mgで週1回皮下注し、
もう一方は薬効のない偽薬を同じように注射して、
104週間(概ね2年間)の経過観察を行っています。

患者さんの登録時のHbA1cの平均は8.7%で、
治療薬としてはメトホルミンが70%程度、
インスリンが58%程度、
SU剤が40%程度使用されています。

その結果…

HbA1cは前値の8.7から、
セマグルチド0.5mgで7.6%、
セマグルチド1mgで7.3%まで低下しています。

そして、
心血管疾患による死亡と非致死性の心筋梗塞と脳卒中を併せたリスクは、
偽薬と比較してセマグルチド群で26%(0.58から0.95)
有意に低下していました。
このうち非致死性の心筋梗塞は、
偽薬群で3.9%、セマグルチド群で2.9%発症していて、
セマグルチドにより26%(0.58から1.08)と、
低下はしているものの有意差はありませんでした。
非致死性の脳卒中については、
偽薬群で2.7%、セマグルチド群で1.6%発症していて、
セマグルチドにより39%(0.38から0.99)と、
こちらは有意に低下していました。
心血管疾患による死亡については、
両群で有意差はありませんでした。

小血管の合併症については、
腎症の発症や悪化は、
セマグルチド群で36%(0.46から0.88)と有意に低下していましたが、
網膜症に伴う出血などのリスクについては、
セマグルチド使用群において、
1.76倍(1.11から2.78)と有意に増加が認められました。

今回の結果は正直リラグルチドの同様の結果と比べると見劣りがします。

総死亡のリスクにも、心血管疾患の死亡リスクにも、
差は付いていませんし、
心筋梗塞のリスクも有意ではありません。
症例数は実際には少ないものの、
網膜症の悪化がセマグルチド群で多かったという点も気になります。

個人的には今回の対象者には、
インスリンやSU剤の使用者が多く、
そこにGLP1アナログを上乗せしているので、
予期せぬ血糖の急降下や、
心血管疾患の増加に、
繋がりやすかったのではないか、
というようにも感じます。

一応今回の結果は、
アメリカFDAの新薬の審査基準は満たしているようですが、
リラグルチドの有効性のデータが、
再現性のあるものであるかを含めて、
GLP1アナログの有効性と安全性については、
今後の更なる検証が必要だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

限局性前立腺癌の治療方針と予後(イギリスでの10年間の観察結果) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
前立腺がんの10年予後.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
転移がなく前立腺内に留まった前立腺癌の治療方針と、
その予後との関連を検証した論文です。

遠隔転移のない前立腺癌の、
最も適切な治療は何でしょうか?

前立腺癌は高齢男性に多い、
基本的には予後の良い癌です。
勿論その一部は全身に転移するなどして、
そのために命を落としたり、
骨転移による痛みなどの苦しめられる、
というケースもあるのですが、
比率的には多くの癌は、
特に症状を出すことなく、
その方の生命予後にも影響しない、
というように考えられています。

それでは、
前立腺の被膜内に留まった形で癌が発見された場合、
どのような治療方針が最適と言えるでしょうか?

神様的な視点で考えれば、
その後転移するような性質の悪い癌のみに、
手術や放射線などの治療を行ない、
転移しないような癌は放置するのが、
最善であることは間違いがありません。

しかし、実際には生検の結果である程度の悪性度は評価出来ても、
その癌が転移するかどうかは分かりません。

従って、このことを重視すれば、
全ての患者さんに治療を行なうということになり、
それは本来放置していても生命予後には問題のなかった、
多くの患者さんを「過剰に」治療するという結果に繋がります。
治療は無害ではなく、
合併症などで体調を却って崩すこともありますし、
医療コストも膨大になってしまいます。

そこで1つの考えとしては、
積極的な治療以外に、
当面は無治療で経過観察を行い、
定期的な最小限の検査は施行をして、
悪化が強く疑われれば、
治療をその時点で考慮する、
という方法が次善の策として考えられました。

これを無治療経過観察(積極的監視療法)と呼んでいます。

この無治療経過観察では、
通常は腫瘍マーカーであるPSAを、
定期的に測定し、
それが一定レベル以上上昇すれば、
治療を考慮します。
ただ、このPSAも確実に病勢を反映しているとは言えず、
そうした経過観察によって、
どの程度ただの無治療と比較して、
患者さんの予後が改善するのかも明確ではありません。

この問題を検証する目的で、今回の研究では、
イギリスで50歳から69歳の男性にPSA検査を行い、
そこから振るいに掛けて2664名の限局性前立腺癌を診断しました。
そして同意の得られた1643名をくじ引きで3つの群に分け、
第1群は治療はすぐにせずに無治療経過観察を行い、
第2群は前立腺の全摘手術を行い、
第3群は放射線治療とその後に一定期間のホルモン療法を行います。
そして、10年間の経過観察を行い、
3つのグループの生命予後は病変の進行、
転移の有無を比較検証しています。

対象となった患者さんの年齢は中央値で62歳で、
登録時のPSAは中央値で4.6ng/mL、
実際には3.0から19.9に分布していました。
腫瘍の悪性度の指標であるグリソン・スコアは、
6点が全体の77%でした。
76%はT1cという、
針生検で癌が発見されるレベルのものでした。
これは比較的低リスクの癌が多いことを示しています。

無治療経過観察の方法は、
最初の1年は3か月毎にPSAの測定を行い、
その後は6から12か月に1回の測定を継続します。
1年で50%を超えるPSAの増加があれば、
陽性所見として他の検査も施行します。

放射線治療はトータルで74グレイを照射し、
3から6か月の短期間のホルモン療法を併用します。

その結果…

10年間に17例の前立腺癌による死亡が確認されました。
無治療経過観察群で8例(年間1000人当たり1.5人の死亡)、
手術群で5例(年間1000人当たり0.9人の死亡)、
放射線治療群で4例(年間1000人当たり0.7人の死亡)となり、
死亡率には有意な差は認められませんでした。
また、総死亡のリスクにも差はありませんでした。
一方で転移は、
無治療経過観察群で33例(年間1000人当たり6.3件)、
手術群で13例(年間1000人当たり2.4件)、
放射線治療群で16例(年間1000人当たり3.0件)となり、
転移は有意に無治療経過観察で多い、と言う結果になりました。
癌の進行も同様に無治療経過観察群で有意に多くなっていました。

これは死亡に差が付くには、
もう少し長期の経過観察が必要で、
前立腺癌のゆっくりとした進行を考えれば、
10年はまだ短過ぎた、
というのが通常の判断になるかと思います。
ただ、10年という比較的短期間においても、
癌の進行や転移には明確な差が付いていて、
より長期の観察を行なえば、
治療群との間には有意差が付く可能性が高いと推測されます。

それでは、この結果をどう考えれば良いのでしょうか?

比較的悪性度の低い限局性の癌であっても、
未治療での経過観察では、
治療の倍を超える程度の転移や癌の進行が認められます。
従って、治療を行なうことに一定の意義はある訳です。
ただ、10年では生命予後の差は付かないという点から考えて、
余命が10年に満たないと考えられるケースでは、
積極的な治療は適応にはならない、
と考えた方が良さそうです。

現状は上記の情報を患者さんに提示した上で、
経過観察か治療かの選択を、
医療者と患者さんが一緒に行うことが、
妥当なのではないかと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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